若者の自動車離れの原因

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先日発表された一般社団法人日本自動車工業会(JAMA)の定点観測的な自動車市場に関わる意識調査結果の最新版。若年層向けに別途行われた特別調査の結果が色々と話に出ているのだけど、どうも報道された部分だけをつまみ食いして騒がれている感も多々あるので、一次資料から該当する項目を抽出。

自動車を持っていない若年社会人層に、どうして自動車を買いたくないのかと聞いた理由の結果。属性別で随分と違いがある(複数回答形式)ので興味深い結果ではあるけど、総合的には「買わなくても生活できる」がトップで「駐車場代などのお金がかかる」「自分のお金は車以外に使いたい」がそれに続く。要は今のライフスタイルでは、自動車はコスパが悪すぎるというもの。自分のお金が不足しているから、とはちょっと違う気がする。このような状況では、よほど自動車の利用コストが安くならないと、自分で買って所有しようとは思わないだろう。

属性によっても色々と異なるデータが出ているのは興味深い。地方在住者は元々自動車の必要性が高いので持っている人が多く、この項目に回答している人は必然的に自動車そのものが元から要らない、欲しくないという人が多くなるので、「興味が無い」などが多い。

一方で「すでに世帯の他の人が持っているから要らない」ってのも多々ある。つまり、すでに利用できる環境にある人は、自分自身が自動車を持つコスパのハードルはさらに上がるということ。「自分で持てた方が便利かもしれないけど、今でも使えないことはないし、得られる利便性とかかる費用を考えたらなあ」という話。他方、首都圏在住者は得てして「買わなくても生活できる」の回答率が高かったりする。

若者の自動車離れは往々にして「お金の若者離れ」が原因だという話ではあるのだけど、データを見るとそう簡単に割り切れるものでもないかなあ、という雰囲気もある。例えば仮に、自動車保有助成金として20代に一律100万円/年が、使用目的不問として提供された場合、自動車購入をする人はどれだけいるだろうか。一定数はいるだろうけど、思われているほど多くは無い気がする。

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このページは、不破雷蔵が2018年4月12日 07:24に書いた記事です。

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