オンライン出版の「何かが足りない」

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キンドル出版をはじめとしてオンラインによる出版事業は色々な方法論が提案され、システムが整備されているけれど、いまだに紙媒体のようなデファクトスタンダード的なものにはなり得ていない。指摘されている通り、2010年......と区切ってよいのかどうかは別として、メルマガの有料化とかブログの有料会員制とかウェブ雑誌の有料専門ページとか新聞社の有料登録とかも併せ、色々な仕組みが生み出されているけど、これが一番というものは確かに無い。キンドル出版の利用ハードルがさらに下がれば、それに成る可能性はあるのだけど。

定着がされずに色々と試行錯誤が繰り返され続けているのは、何か不足しているものがあるからに違いない。けれどその不足しているものが何だか分からない。確かにもやっとくる。

他のビジネスやインフラ関連を思い浮かべると、公的機関が半ば強引に推し進める以外では、人の欲望に応えるものが勝ち進む可能性は高くなる。R18的なものとか、金銭的な欲望とか。容易に儲けられるものなら誰もが我先にと飛びつき、あっという間に普及していく。利用しやすければ言うまでもない。R18的なものは人間の本能を刺激するから普及しやすい。例の不法漫画の件にしても、それらをすべて兼ね備えているからと考えれば道理は通る。

「モノリシック」ってのは一般的とか汎用的とか画一的なといった感じ。スタンダードモデル的な。音楽業界でミリオンセラーが出にくくなったり、出版業界で大ヒット作が生み出されにくくなったのと同様に、仕組みそのものが便利になって多様化したことによって、誰もが使い得るスタンダード的なものが登場しにくくなったのではないか、それはコンテンツ視点での話に限らず、システム面でも言えるのではないか。そんな気もする。

まぁ例えば、地域ごとに交通システムのカードの種類が違っていたり、ポイントカードも企業単位で異なるけど、それと似たようなモノなのかなあ、とか。あとは国単位で通貨も違ってくるよね、という感じ。そう考えると、何かが足りないという考えそのものが幻想で、すでに足りているからこそ、巨大な市場になり得ないってのが実情なのかもしれない。

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このページは、不破雷蔵が2018年5月 1日 07:49に書いた記事です。

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