物語のプロットの仕方、最初から終わりを決めておくか、とりあえず盛り上げのために伏線を張りまくるか

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これはどちらが良いか悪いかという話では無く、また双方を組み合わせてもまったく問題はないよという但し書きを最初に書いておいた上での話。本当のところは本人自身に聞かないと、しかもウソはつけない状態で尋ねないと分からないのだろうけど、漫画にしても小説にしても、創作で物語を描く際には、「最終回、行き着く先を決めてから書く」「どうなるかは書いてからのノリとか勢いで。とにかく伏線張りまくりで、その流れに逆らわずに物語を作っていこう」というスタイルがある。

書き手の好き嫌い、作業の仕方によりけりなんだろうけどね。こういう流れでこういう風に結末を迎える話を作りたいから書いていくとするものなら、最初から終わりは確定している。他方、こういう世界観での話を書きたいなというものなら、最後にどうなるのかは分からなくても構わない。前者はシナリオにそって進んでいくRPGをプレイしているようなものだし、後者は特にエンディングなど決まっていないMMORPGで遊んでいるようなもの。

後者の方が書き手のノリはいいのかもしれない。何しろ好きな世界で色々と楽しみながら、先のことは考えずに遊んでいるようなものだから。創造主のような雰囲気。ただその分、張った伏線を回収して物語を終えるのは随分と難しくなってくる。

昨今の人気ラノベで筆者のノリが急速に落ちてしまったり、何か突然迷走をはじめたり、少しずつ更新期間が延びて行ってしまいには更新中断中になったり、別の作品を手掛けるようになっているのを多々見るに、多分に後者のパターンで作品を書いているのだろうな、確かにノリと共に書くのは楽しいからなぁと思ったりもする。

ただ、商業化されて不特定多数の人がその世界を共有するようになった時、締めが無い、途中で終わってしまうというのは、とても残念な話に違いない。料理のフルコースを頼んで前菜部分で終わってしまうようなもの。あるいはメインディッシュは来たけどそこで終わりとか。終わりが無くても別にいいじゃん、楽しい、興味深い世界を共有できるひとときを過ごせたのだからという楽しみ方もあるのだろうけどね。

まぁ、先日亡くなった佐藤大輔先生はどちらかというと後者の事例の作品ばかりだった気はする。その点でも、しっかりと終えられた「征途」は、やっぱり一番の名作だよなぁ、と。

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このページは、不破雷蔵が2018年5月 8日 07:56に書いた記事です。

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