出版社の営業さんから見たら鼻で笑われそうだけど、実際、去年の末に全二巻で終わった僕の「キュラシア・ブラッド・ブラザーズ」がZINさんでは未だに動いてるんですよ>RT
— 松田未来 夜光雲のサリッサ連載中 (@macchiMC72) 2018年5月13日
新刊販売では別に奇跡も起こせず見捨てられたはずのタイトルなのに。 pic.twitter.com/sculXfSroR
その理由ってのがこれ。あのお店は本来なら新刊だけしかいることを許されない「聖地」の一部を、お店が選んで売りたいと思う本の居場所にしているんです。しかも、既刊を揃えることを厭わずに。そういう売り場では、笑ってしまうぐらい「もう売れないはずの」本が動いている。 pic.twitter.com/SUzVP002O8
— 松田未来 夜光雲のサリッサ連載中 (@macchiMC72) 2018年5月13日
新刊の流れに押し流されて、既刊の販売機会を逃し続けているんじゃないの?という疑問に、COMIC-ZINさんの売り場は1つの答えを提示しているんですね。そこまでするから、店賃が高くてライバルも多いあの場所で生き残っている。
— 松田未来 夜光雲のサリッサ連載中 (@macchiMC72) 2018年5月13日
通販や電子書籍にその立場を奪われていく書店が生き残る道は、「新刊を流れ作業で置く場所」なのか、という疑問は、もう既にアメリカの書店経営者が問われた問題でもあります。超大手チェーン書店すら生き残れなかった状況下で生き残った中に「書店が選んだ品揃えをアピールする」店がありました。
— 松田未来 夜光雲のサリッサ連載中 (@macchiMC72) 2018年5月13日
実際、電子書籍が売上を上げている理由の一つに「新刊既刊関係ない売れ方」があります。今の書店と出版社が売れないものとして捨ててきた(捨てざるを得なかった)ものが電子化の利便性を武器にチャンスを掴んでいる。皮肉なことに、その機会を見つけたのは売り手ではなく買い手だったのです。
— 松田未来 夜光雲のサリッサ連載中 (@macchiMC72) 2018年5月13日
紙か電子か、ではなく、出版社と販売者が今出来ることって、新刊が一週間以内に売れて再販に繋がることを祈ることではないはずです。自分たちが世に出してきたものをいかに掘り出し、売りつくすかではないでしょうか。
— 松田未来 夜光雲のサリッサ連載中 (@macchiMC72) 2018年5月13日
動いているというボリュームが具体的にどれほどなのかは未公開だけど、周知がされればそれに応じた需要は生じ得るという解答の一つ。そして電子書籍や通販などのようなライバルが乱立している実情で、実書店が生き抜くための方法論の一つとして、ちょいと注目したい......ところではあるのだけど。
見方を変えると、抽出されなかった本はやはり埋もれたままになる。今件はたまたまピックアップされたからよかったけれど。新作でなくても取り上げられ方次第で売れる商品はいくらでもあるというのと同時に、そのチョイスの対象にならなければやっぱり売れないよねということになる。これって書籍に限らない、商品全般のお話。営業がデパートに足を運んで、類似他社の商品を押しのけて自社商品を置いてもらうようにアピールする、的な。今件はそのような営業の結果というわけではないけどね。
ともあれ、環境が随分と変化した以上、色々な立場にある人は手法を最適化する必要がある。昔の手法が旧態依然のものになり、経年劣化で目も当てられないような状態になったのなら、周囲をしっかりと見極めて、今の流れにあったスタイルに変えていかなきゃならない。
まぁ、当然手間はかかるし知恵も必要だしリソースも求められる。リスクもあるだろう。それがいやなら、ゆでがえるになるまでの間を楽しむしかない。
コミックZINの運用というのはひとつの解で、新刊以外の本も適切にプッシュすれば売れる。
— 碌星らせん (@dddrill) 2018年5月13日
でも同時に、それを成立させている前提条件のシビアさ、というものについても考えるべきだと思う。
まぁ、要するに、「ZINに行ってる人はほぼ間違いなく他の書店にも通ってる」ということです。
— 碌星らせん (@dddrill) 2018年5月13日
他に書店が、徒歩圏内に幾らでもあるからこそ、アレは成立している。
あと、選書をちゃんとするとなると、労力的な問題で面積はそこまで広げられないはず
無論指摘されている通り、先の引用の例はあくまでも特定環境下における解の一つでしか無く、すべての場合において同じ手法が通用するというわけでは無い。むしろ失敗した、あまり成果が出なかった事例がたくさん後ろに隠れているのかもしれない(逆に、これは単なる一例で、そこそこ上手く行っている例もたくさんあるかもしれない)。特に、費用対効果という観点では、色々と厳しいよね、と。
電子書籍、もう「電子書籍」というフォーマットだと古今東西の名作と正面からの殴り合いが待ってるのは漫画で証明済みで、出版社はそれでよいかもしれないけど書く側は困るのですよ。
— 碌星らせん (@dddrill) 2018年5月13日
だから、「電子書籍じゃないウェブ上で小説を売る手段」を真面目に考えねばならない
で、今件の新刊じゃないけどそれなりにリソースを投入すれば動く雑誌もあるんだよ、という例も行き着く先は同じではあるのだけど。環境が大きく変化して、誰もが自由にアプローチが出来る、カオスな情報化社会となっている以上、これまでのようなパターンでのみの手法では、すくい上げられないものが沢山出てきてしまうのは明らか。土俵に上がるハードルは低くなったけど、それは自分だけの話じゃないから、土俵にたくさんの人が上がってしまうので、ライバルも増えるよというまでの話。土俵がアレならボクシングのリングでもいい。
作者自身、作品の内容、時期など、多様なパラメータで、最適解ってのは変わってくる。試行錯誤を繰り返す必要もあり、成功的な解にたどり着くこと自体が奇跡、運次第なのかもしれない。
成功事例と判断できる事例があったらどんどん情報をオープンにして、多様な選択肢を世に送り出し、各自がトライ&エラーを出せるような、多様化された...というかカオスな方法論の中でのコンテンツ市場が必要なのかな、と。
でもそういう考えだと、一部で求められている「電子書籍市場の一元化、フォーマットの統一化」ってのと方向性は逆になるんだよな。商売になる、ご飯を食べられる同人誌的なイメージになるのかなあ...。
ちなみにお話では電子書籍・小説という話になってるけど、これはそれに限らない。ウェブに乗り得るコンテンツ全体に言えることだと思う。まぁ、カオス化ってのは容易に想像ができるし、そうなった方が業界も市場も活性化するので、悪い話ではないのだけどね。
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