なろう以外でもウェブ無料公開→単行本化の例はたくさんあるし、電子書店で1巻無料や数巻無料、期間限定全巻無料って場合もある。立ち読みなら多くのリアル書店/電子書店でも可能。なぜ返品?
— 鷹野凌@日本独立作家同盟 (@ryou_takano) 2018年5月19日
|出版業界を救えるビジネス|長田信織 @nagatanobuori|note(ノート) https://t.co/gV7kbhzE9D
ひとまず一昨年書いたこの記事あたりを挙げておきましょうか。
— 鷹野凌@日本独立作家同盟 (@ryou_takano) 2018年5月19日
|【シミルボン】ウェブで内容を無料公開したままでも本が売れる( Re:ゼロから始める異世界生活 1 | 長月 達平 )
https://t.co/w9NmmyURdx
昔ならせいぜい同人誌で展開していたものが人気を博したり、観察眼を持つ人にピックアップされたりなどぐらいしか機会が無かったのだけど、昨今ではインターネットで情報配信のハードルが思いっきり下がり、さらにそれを用いたサービスも多様なものが出てきたおかげで、小説やら漫画の世界ではとりわけ、ウェブ上で無料公開していたものが商用化される機会がもりもり増えている。αポリスはその辺りをシステム化して企業ビジネス化した良い例ではある。pixivも似たようなことをしているという感じかな。ああ、小説家になろうってのがまさにその大好例か。登竜門的な。
で、そういう状況下において気になるのが、無料公開時の作品をそのまま放置しておいて、商用化したものへの売れ行きに影響があるのか。ツイッターで連載していた漫画が商用化決定ってことになった時に軒並み削除されたり、ウェブ版で掲載していたのが書籍化される際に「本になるから全部消す」というのは結構ある。これって作者本人の意思によるものだったり、企業側の申し出によるものだったりいろいろ。
多分に、ネットで無料にてゲットできるものがあるのなら、対価を払って買う人はいないだろう、少なくともある程度の市場は食われるので売上にマイナスの影響があるから、公開はよくないとの判断だと思う。ウェブ系のメディアがネットに展開するのを嫌う理由に似ている。元々の自分らのメディアでの商品が売れなくなるからダメ、的な。
ただ実際には、というか現状では、全部が全部では無いけど、紙媒体版として提供されるようになってもウェブ版をそのまま残す事例は結構ある。紙媒体版はプラスαされていたり特別な装飾がしてある場合もあるけど、下手すりゃほとんどすべて同じってのもある。けれどやっぱりそういうのも売れる。
書き手自身がウェブで無料公開したままでも紙媒体書籍本や電子書籍本が売れる、無料公開すると売れなくなる、その境目はどこのあるのだろう。比較検証した具体的データの取得は難しいけれど(A/Bテストそのものが出来ないからねえ)、そこに出版業界の現況打破の鍵の一つがありそうな気が。
当方自身も実のところ、最近アマゾンでレビューをちまちまと書き進めている対象カテゴリに、ウェブ版で無料公開されていたり、キャンペーンで第一巻無料配信となったコミックのストーリーや絵柄が気に入って、紙媒体版を買った上で......というのがあったりするのだよね。連休とか長期休み期間に、ウェブで紙媒体版の最新号掲載分と最初の数話だけ掲載している作品が、サービス的にもう少し長い期間分の作品を公開していたりすると、ちょいと目を通していいかもと思い、そしていつの間にか本屋やアマゾンでその単行本を買っていたりする。
作品との出会いってのは多ければ多いほど、当たりに遭遇するケースも多くなる。くじは引かなきゃ当たらない。無料公開ってのはそのくじの部分に相当するのかな、と。ただそうなると、全部を無料公開しても売れるってのはまた別の問題になるので、これはこれで別途考えねば......という辺りで、先日の【環境の変化で紙媒体の立ち位置も変わる】に行き着いたりする。
作品の内容や提供環境にも寄るけど、ということなのかな。色々な手段選択肢が用意されていて、それぞれの作品で一番良いように見える方法を選べる世の中ってのが、一番個々の作品にとっては幸せなのかもしれない。
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