異世界転生物は書き手が主人公を動かしやすくするためのアドバンテージを持たせるための手法の一つに過ぎないと考えれば、抵抗感無く読めるように。タイムスリップものとか憑霊ものと同じ。歴史知識を持った上で歴史SLGをプレイするようなものかしらね。
— 不破雷蔵 (@Fuwarin) 2018年3月20日
なろう系とかラノベ関連で氾濫している異世界物。大よそは主人公が何らかの形で異世界に放り出され、そこで活躍するというパターン。その異世界行きの直行便としてトラックとの衝突パターンが多いせいか、それをネタとしてトラックが異世界への直通便的なネタまで出てきたりする。
ただこれって、例えばタイムスリップものとか憑依ものとか物語の中に吸い込まれた話と同じように、主人公に何らかのアドバンテージを与えるための手法の一つに過ぎないんだよね。色々な問題をスルー出来る方法論として使いやすいから、異世界に放り投げるってのがあるわけで。現状の知識も能力も未知なる力のアドバンテージも何もなく、単純に異世界に放り投げられただけなら、単なるファンタジー系やら世紀末系のお話と何ら変わりは無い。
さらにいえば異世界物は想像もしやすいし、読み手が主人公に思いをトレースしやすいのも利点。何しろ異世界に放り出された主人公は、自分自身とほぼ同じ世界観による経歴と常識を持っているのだから。だからこそコミック化もされやすいし、それゆえに相乗効果的に作品が広がっていき、そのような状況を見て参加する人も増えているのだろう。
しばしば「昨今は『異世界~』がタイトルにつく小説が多すぎるのでは?」と心配なさっておられるつぶやきをお見受けしますが、我々の業種で「~殺人事件」とタイトルにつけるのと同じで、ご心配には及びません。むしろ定番パターンができるのは文芸として活発な証です。
— 滝田務雄 (@takitamichio) 2018年5月24日
でも異世界物多過ぎね? という意見もある。で、それに対するお話。この指摘はなるほど感。確かに「~殺人事件」とか「~急行」とか「~の館」というパターンは結構あるけど、そういうパターンが出来るのはそれだけその方面が活性化している証拠。無論、活性化の影というか、一側面としては色々な質のものが出てくるのも否めないけど、確率論としては仕方が無いし、むしろ同時に良いものが次々出てくるかもしれない。
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