20代や30代の貯蓄額の平均値とか中央値の話

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先日からツイッターのタイムライン上に、20代や30代の貯蓄額に関して平均値とか中央値を絡めていくつかのネガティブな話が出回っている。まぁ、この類の話は多分に色々とアレなものだし、貯蓄という概念そのものも随分と変化して、一昔前の感覚で考えるとえらい錯誤に陥るよねというのは何度と無く説明しているのだけど、せっかくなので解説の類を。元々のツイートを引用しないのは優しみというか、当事者は悪気も無く語っている可能性が多分にあるので。

まず今件の対象者は単身世帯。この時点で「二人以上世帯じゃなかったの?」という人もいるはず。


で、今件の元ツイートでは貯蓄という表現が使われていたけど、調査の対象項目は「金融資産」。その金融資産の概念もこんな感じで、昔と比べて随分と指しているものが違っているはず。物理的な資産は含まないし、現金もダメ。証券口座を持っていても運用に回していない残高は金融資産に含まれない。

若年層でローンを組んで住宅取得をする人が増えているってのは以前から伝えている通りだし、事実上のゼロ金利継続で預貯金口座に貯蓄して蓄財という概念が昔と比べると変わってしまっているってのも以前から伝えている通り。定期預貯金の意味は、昨今では「意思の弱さで下ろしてしまわないようにする」程度のものでしかない。


さらに金融資産は無い、と回答した人のうち8割近くは預貯金や証券の口座を持っている。残高もそこそこあるので、まったくお金が無いってのでは無く、流動資金と貯蓄的な金融資産がごちゃごちゃになっているってところなんだろうなあというのが分かる。物理的な資産を持っている人もそれなりにいるのだろう。今調査では把握できないけど。実物の資産として調査されているのは住居だけだからねえ。

ちなみに二人以上世帯だと状況は大きく変わる。それでも金融資産≒貯蓄の概念が昔から変わっているってことには違いは無いけど。


また、単身世帯の20代は2割強が就学中と回答しており、数%が就業・就学共に無しというのも今調査の結果。単身世帯として回答しているから世帯構成としては本人個人のみではあるけど、実家通いだったりニートだったり花嫁修業中だったりと色々な可能性が出てくる。

ともあれ今件は今後も色々と姿かたちを変えてソーシャルメディア上などで注目される可能性はあるけど、実情としてはこんなもんだよ、ということで。

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このページは、不破雷蔵が2018年6月 3日 07:52に書いた記事です。

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