「電子版と紙版の販売日ずらしたところで、書店にも出版社にも作者にもなんの意味もない。むしろ悪い影響しかない。」と、ワシは小学館の中でいつも言っています。
— 大童澄瞳/映像研6月12日発売 (@dennou319) 2018年6月16日
ワシの主張は「そもそも電子書籍を買う人間はもはや紙媒体の読者層とは別れている。電子版を遅れて出したところで、痺れを切らし 先行する紙媒体を買う電書派の総数は 紙媒体全体の売り上げからすると無視できるレベルの数であって、電書読者に発売日の油断やミスを誘う事で起きるマイナス効果が大きい
— 大童澄瞳/映像研6月12日発売 (@dennou319) 2018年6月16日
(ちなみに数字のデータは全くなく、全て筆者の想像である(弱い)
— 大童澄瞳/映像研6月12日発売 (@dennou319) 2018年6月16日
具体的に各種類別の、電子書籍版と紙媒体版の販売実績、冊数の比率が知りたいところだけど、現状では出版業界の動向やいくつかの統計を見る限り、紙媒体と電子媒体とでは、金額面でも冊数面でも今なお、有料誌に関しては、紙媒体の方が上なのだろう。だからこそ、多くの新刊で、紙媒体が先行発売され、電子書籍版はしばらく経ってからの発売となる。無論、同時刊行ってパターンも増えて来たけれど。
紙媒体版と電子媒体版の発売日をずらす、しかも必ずと言ってよいほど紙媒体版が先行される。この理由は分からなくもない。基本的に用いる大元のデータは同じであっても、商品化する際のプロセスやデータの加工は別になるし、手続きを考えると紙媒体版は色々と調整が必要になるのとお金関連のあれこれが出てくるので、そちらの発売日の決定を優先しなきゃならない。電子版ある程度融通が利く。
それに恐らくは、実際に口に出す事は滅多にないのだろうけど、「紙媒体の方がエライ、実際に売れている感がある、あちこちに利益も流せるから優先させなきゃ」「電子版はオマケみたいなものだから、紙媒体のお客を吸われちゃよくない」というところなのだろう。ゲームソフトなら、高値の限定版のみ先行発売して、通常版は日をずらして販売するようなもの。一刻も早く楽しみたいのなら、こちらの思惑に乗って、先に出た(プッシュしたい)側を買いなさい、的な。
でもその考えって、どうなんだろうなあ、と。行程の関係でどうしようも無いのならともかくとして。
具体的な資料、調査結果が無いので推論にしかならないけど(そもそもこの類の行動性向が調査できるのか否か疑問。出版社レベルでA/Bテスト的なものをすればいいのだろうけど、その類の内部調査の結果は表に出てこないのがオチ)。指摘されている通り、電子版と紙媒体版の発売日をずらしても、得られる効果よりは失われる機会の方が大きいような気がする。そもそも電子版と紙媒体版の双方を選択し得る読者層って、そんなに多数派なのだろうか。
これって例えばPS3版とPS4版が用意されている新作ゲームで、先にPS3版が出るからといって、PS3とPS4の双方を持っている人が、PS3版を手にするだろうか、という感じ。
本が物理的に多くなると困ってきたので電子に変えてから電子で出るものは電子だけにしたから、まじで本と電子の発売がずれるの普通に意味わからないしやめてほしいと思っている。。。書店で見ても買わないんだよなあ。。電子で買おうと思ってる本は。。
— ED夏コミ(日)H34a (@otogeri) 2018年6月17日
当方のように現状では紙媒体購入ばかりだけど、将来電子版に切り替えるようなことがあっても、電子版は読み流しレベルのもので、ずっと残しておきたい、手元においておきたいものは紙媒体版という人もいるだろう。けど、読書のスタイルを電子版に切り替えた人も多分にいる。完全で無くても、大よそは電子版にしちゃった人もいるだろう。そういう人は、たとえ紙媒体版が先行発売されても、それを手にするってケースはさほど無いと思う。
「電子版と紙媒体版を同時発売するためには、行程上の問題があるから、紙媒体版の発売日を後にずらさなきゃならない」という意見もあるだろう。ならば最初からそのようなスケジュールを組めばよいまでの話...だとは思うのだけどね。まぁ、色々と複雑な事情があるのかもしれないけれど。
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