インターネットメディアの評価や報酬がページビューという指標に縛られている件について

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PVと表現されることが多いページビュー。要はウェブサイトなどの閲覧回数で、少なくとも目に留まったであろうと判断するのには一番シンプルでわかりやすい指標。テレビならば視聴率、書籍ならば購読率...は購入する・しないのハードルが生じているのでちょいと違うか、図書館での貸し出し数が近いのかな。

で、一番分かりやすい指標ではあるし、ウェブ上のコンテンツに対する対価も大体がこのページビューをベースに算出されるので、とにかくページビューが稼げれば何でもありということになる。実際、広告業界とかプロモーションの世界でも、中身の質など二の次三の次で、とにかくまずは見てもらうことが大切という大原則があるから、それを踏襲したのだろうなあ、という感もある。

ウェブ記事やソーシャルメディアでは、情報量が多分に及んでいるので、ぱっと見でとにかく引きつけてもらうための工夫が必要だということになり、その辺の煽りが加速化する。この辺の話ってブログとか、メールマガジンのタイトル付け辺りから色々と言われてきたけど、スマホの普及で表示面積が限られた端末で読む人が増えて来たとか、ソーシャルメディアの普及でさらに話が進んだ気がする。

ページビューは大切。それが無ければ分かりやすい指標で判断できないし、対価も得られない。それは十分に理解しているし、そうであるべきだとも思う。けれど同時に、一般的な評価はもちろん、コスパ上、採算性の問題では今でもなおページビュー万能主義であるのがつらいところではある。ウケ狙いの、扇動的なお話の方が「評価」されてしまうという現状では、タブロイド紙化した方が割りが良い、真面目にまともなコンテンツを作っていても色々とやってけない状況になる。

例えば具体的数字や裏付けを示さなくても、賛意が得られそうな話を出した方が、それなりの裏付けなり数字を出した話よりも評価されるのが実情。そういう場面を何度と無く経験している当方としては、色々と理不尽を覚える今日この頃だったりする。

イエロージャーナリズムというか大騒ぎした方が楽に儲けられ懐を温められるような業界では、誰もが真面目に、まともなものを作らなくなる。そうなると社会全体が荒れてしまうのだけどね。


まぁ、こういう読み方をしてくれる方もいることはいるのだけど、むしろ少数派ではあるからねえ......。この辺りの話は【「嘘をつくのは低コスト、嘘を検証するのは高コスト」非対称性の宇宙大原則】と通じるところがあるのだろう。

正直者が馬鹿を見る。当方はそんな世の中は好きではない。

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このページは、不破雷蔵が2018年6月25日 07:50に書いた記事です。

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