サッカーでも増長ぶりが通常運転なメディアしぐさ

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ポーランド政府観光局は、日本のテレビ局の取材協力依頼に「遺憾です」と東京支局の公式Twitterを通じて発信した。


サッカーW杯日本代表の決勝トーナメント進出をかけたポーランドとの試合は、日本で大きな関心を集めている。そのため、ポーランド政府観光局にはテレビ局関係者からW杯関連番組の制作のため多くの電話が来るとのこと。しかし、テレビ局側は「リサーチのできるポーランド語人材が見つからないため丸投げ」で、ネットで調べられる事柄も「なる早で全部お願い」と要求してくるという。ポーランド政府観光局は、これらの取材姿勢を「遺憾」とし、「ご自身でもお調べになられてはいかがでしょうか?」と求めた。また、「電話をかけてこられる番組制作会社の皆さんは、ほとんどが電話番号非表示でかけて来られますが、これはいかがなものでしょう?」との疑問も呈している。


6月中旬からのワールドカップで多くの人がサッカーのあれこれに注意を寄せているからだろう、メディアの行動もいつも以上のいい加減ぶりが発揮され、当然の如く反発が生じている。恐らくはずっと前からこういう姿勢だったのだろうけど、情報発信とその情報の精査取得のハードルが下がったので、可視化されやすくなったと見るべきだろう。一言で表現すれば化けの皮がはがれた。

すべてがすべてでは無いのだろうけど、このような話は少なからず見受けられるし、当方自身も何度と無く体験している。仮に「なる早で全部お願い」を対応したとしても「こちらの都合で使わなくなりました」「やっぱり要らないです」さらには使ったか否かの何の返事すら無かったりする事も多々。

アプローチをかける側の時間は有限であるし、当然その時間を費やすことになれば時間だけでなく色々なリソースも消費されることになる。その対価はどこに求めればいいのだろうか。道端に落ちている石を拾うような感覚で「取材」をしていないだろうか。そんなルールは誰が決め、どのような裏付けがあるのか。あるいは社内の同僚などに聞いている感覚なのか、それとも下々に「使ってやるから有り難く思え」的な感覚なのか。


「制作側も時間が無いから、予算が限られているから仕方が無い」との弁明や擁護の話も聞く。けれどそれはメディア側の事情であり、その事情を振り回して受け手側に不快な思いをさせたりダメージを与えるような権限はどこにも無い。まるでお得意様である取引先の上司が「いつも世話しているんだから、これぐらいは当然だよな」と無理難題を押し付けてくるような、そんな感覚で相対しているのではと考えると、残念ながらすっきりと理解できてしまうのが実情。

いっそのこと「ググれ」とか「Siriに聞け」の対応で全部済ますのが、リソースの浪費を避ける観点では一番なのかもしれない。けれど個人ベースはともかく企業や一定の名を知られた人、さらには官公庁だと、そういう対応をすると「報道を蔑ろにした、許せない。市民の代表にまともな対応をしないのか」と嫌がらせをするのは明らかな話......って単なるモンクレだな、これ。メールなどでは反応しない、読まなかったことにするのが一番なんだけどね。返事ですらリソースの無駄。

「私達記者は正義、頑張る」と雄叫びを挙げながら、「正義」と書かれた棍棒を振り回す記者の行動に、正当性はどこまで存在しているのか。漫画に登場するような悪の組織が「自分達は世界のため、世のためにお前らを支配するんだ」と正当性を主張しながら悪業を成すのと、どれほどの違いがあるのか。

恐らくはメディアの傲慢な態度の裏付けは「正義」なのだろう。自分達は社会全体から報道という責務を受けたものであり、それは絶対正義で何物も覆す事は出来ない。だからそれを果たすためにはどのような行為も正当化される。しかしそれほど怖いものは無い。すべての行為を正当化できる免罪符を、自己発行して手に入れているのだから。その正当化には何の裏付けも、何の担保も無いにもかかわらず。

あれだな、時折ニュースとしても持ち上がる、自称●×って人による詐欺商法事件と同じような状態では無いのかな、今のメディア、報道における問題ってのは。

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このページは、不破雷蔵が2018年6月29日 07:51に書いた記事です。

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