「(ある人の文章が)わかりやすい理由のひとつは、いい意味で勉強していないからだ(専門用語を使わないから)」という一文を見つけて悶絶しています。そんなわけあるかい。楽器を上手に弾けるのは、たくさん練習したからに決まってます。足が速い人はわざと遅く走れるけど、遅い人は早く走れません。
— たられば (@tarareba722) 2018年7月11日
具体的例や語り手そのものは指摘されていないけど、似たような話は定期的に目に留まったりするので、多かれ少なかれご意見というか主張として存在するのには違いない。ただ、当方もそういう話を目にするたびに、悶絶しまくってコマンドー状態になってしまう。
ある事柄を知っていることと、それを分かりやすく説明できることはまた別の話。天才肌の人が他人への説明に難儀する、分かりにくい話となるってのはよくあることだけど、少なくとも対象の事柄をちゃんと理解していなければ、正しく説明することはできない。元々その事柄を知らなければ、理解していなければ、たとえそれが分かりやすいものだったとしても、正しいとは限らない。それって単なるデタラメじゃんってことになる。
この「対象の事柄を知らないからこそ分かりやすく説明できる、文章化が可能になる」という主張は、何度か取り上げている「分かりやすいが正しいとは限らない」という話でもあるし、報道界隈で時折主張として見受けられる「知識の無い読者に分かりやすく説明するために、私達記者も前知識を持たず、調べもせずに取材をしています」というのと同じではある。それ、違うからね。
分かりやすければいいってもんじゃない。まずは正しく無いといけない。その部分を間違えていると、単なるウソツキになってしまう。まぁ、それを仕事としていると主張するのなら、それはそれでいいのだろうけ......いや、よくないな。
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