先日お話を伺って興味深かったのが、漫画家を目指す専門学校を運営されている方が「今の10代の子たちは『好きな漫画雑誌』がない」と言っていたこと。
— タクヤコロク(マンガトリガー編集長) (@coroMonta) 2018年7月30日
雑誌を買わなくなり、アプリやWebで漫画を読むようになったことで、単位がメディアからコンテンツに細分化されているそう。時代は変わってるなぁ。
これはある意味驚き、ある意味当然の結果かなあという感がある事案。もちろん厳密には統計を取り、どの程度の子供がこのような考えを持っているのかを確かめる必要があるのだろうけど、当方個人としてもそのような方向性に趣向がシフトするのは容易に理解ができるので、少なくともネタ的なものとしては考えられない。
以前コンテンツ周りの話として、ネットの普及で細切れの販売が可能となったことにより、セット販売よりも単品販売がメインになるのではという言及をした。色々詰まったお弁当より、バイキング料理という感じ。ウェブ上のコンテンツとしての漫画がまさにそうで、このサイト全体を見渡すのでは無く、サイトに掲載されている漫画それぞれを見に行くということになる。お任せをしなくても済むようになった時代。
「単位がメディアからコンテンツに細分化」。さらりと書いているけど、昨今のビジネスの上では欠かせない観点に違いない。音楽コンテンツにしても、CDのアルバム購入とかよりも、ダウンロード枠を月ぎめで登録して色々好きなものをチョイスしていくという、サブスクリプション型が主流になっていく。
漫画でも雑誌単位では無く作家単位、漫画家単位に注力対象がシフトする。厳しいけど、二極化が進む、とでもいうのだろうか。
テキストも動画も漫画も音楽も、コンテンツと言われるあらゆるものがどんどん分散型になっていきますね。単体消費されるというか。それでも母体としてのメディアやプラットフォームは絶対必要だと思ってるんですけどその存在意義はちゃんと考えないとダメすね。
— タクヤコロク(マンガトリガー編集長) (@coroMonta) 2018年7月31日
コンテンツ分散化の世の中でも、母体としてのプラットフォームは必要不可欠で、それが無ければそもそもコンテンツは配信できないし、新しいものが創生されにくくなるし、二極化が進み過ぎて先鋭化する可能性もある。
ただ、今までの仕組みと同じような考えで、とにかくプラットフォームを用意すればいいんだ、という発想では生き残りは難しいのだろうな。現状を見極めた上で、その状況を取り組んだ母体を作る必要が出てくる、と。
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