報道機関の調査は何よりも「見知らぬ人からの電話に出る」「報道機関の指示に従う、さらにそれで時間を浪費する」という行動を、どのような人が取りうるのかとの観点で、世間一般の声をすくい難くなっている事実を認識する必要があります。ある意味、米国でトランプ氏支持と語れないのと同じです。
— 不破雷蔵 (@Fuwarin) 2018年8月8日
先日の【報道機関のアンケートのいい加減さ】を読み返している時にふと思った事をちらりと。大手の報道機関の調査に関して、携帯電話も対象にしたから世間一般の意見との差異は無いだろうというドヤ顔姿勢が見受けられるけど、設問を見るに誘導尋問というか、こういう答えが欲しくて問いを投げたのだなというのが丸わかりなものでしかなく、調査関連の専門家が見たら即時に不合格で再提出を食らうよなあという実情。長所しか例示せずに「これに賛成するか否か」と聞くってのはどういうことよ、反社会団体のインチキ街角アンケートとさほど違いは無いじゃん。
で、設問のいい加減さとは別に、今の報道機関の調査に関する精度への疑問点がこれ。書類提示・回収とか、調査員派遣による口頭インタビューでは無く、電話によるアンケートの場合、そもそもどれだけの人が出るのだろうか。平日日中なら出る人は限られる。土日とかでも若年層とかは自宅にいて電話に出るって人がどれだけいるのか。
固定電話だけでなく携帯電話を対象にしたから若年層も云々という話もあるけど、それも自分自身にそういう状況が生じた時の反応を想像すれば、色々と疑問がわいてくるはず。見知らぬ人からの電話に出る人がどれだけいるのか、もし出たとして自分に一円の得にもならないどころか変な使われ方をされるかもしれないアンケートに、少なからぬ時間を費やされることに、どれだけの人が同意を示すのか。
その辺りまで考えると、若年層から中年ぐらいまでの、携帯電話をメインに使っている期間が長い、インターネットに注力している世代の反応は決して良くない事は容易に想像ができる。さらにそのような状況下でも、ウェイトバックはしないという。
内閣府の対面式による長期継続世論調査でも、昔と比べて最近では若年層から中年層の回答率は低下している。ましてや電話、特に携帯電話での突然の音声インタビューで、さらに品質と思惑の実情が露呈して嫌悪感を抱かれていることが多い報道からの調査に対し、どれだけの人が自分のリソースを割こうと考えるのか。電話による投資用マンションの飛び込み営業の話を聞くのとさほど変わりは無いような気がする。
設問の設定がアレなのはまた別の話としても。昔ならともかく今でも、電話で質問すれば世間一般の認識を少ない誤差で取得できると考えている報道界隈の考えそのものが、旧態依然というか、体質そのものの問題を如実に表していると思うのだけどね。
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