昨夜の「ハナタカ」で「徳利は注ぎ口と思われている部分から酒を注ぐと失礼、あれは縁を切るの意味」という雑学をやっていたらしい。
— 杉村喜光(知泉)三省堂辞典・発売中! (@tisen_sugi) 2018年8月17日
初耳。自作雑学系書籍1000冊以上のDBには載っていない。
ネットを見るといくつかその説が点在するが、2010年にマナー講師の方が書いている文章が最古。
それらの雑学サイトでは
— 杉村喜光(知泉)三省堂辞典・発売中! (@tisen_sugi) 2018年8月17日
「あの形は宝珠を表しているので尖っている方を上にするのが正式」
「相手と縁を切るの意味」
「戦国時代に武将を暗殺するために注ぎ口に毒を塗ったので、いつしか逆側を使うようになった」
と、その理由も諸説ある。
初耳ばかりでウロコ目だ。
でも徳利メーカーのサイト写真でも注ぎ口から酒注いでいるし、そんな重要なルールがあるのにほとんどの人が知らないってのが、どうもね。
— 杉村喜光(知泉)三省堂辞典・発売中! (@tisen_sugi) 2018年8月17日
「それを否定する雑学がない」という意見は、そもそも今まで一般的では無く知られていないから。
今度は「否定する文献はないので、正しい」と成るのかなあ。
でもこの手の雑学は、会社の宴会とかの場で上司が部下に向かって「なんだお前、日本酒のつぎ方も知らないのか」と上から語るのに適したネタなので、この先、広がって行く悪寒しかない。
— 杉村喜光(知泉)三省堂辞典・発売中! (@tisen_sugi) 2018年8月17日
テレビや新聞など声の大きな、能動的に情報を取得することが容易な人は使う機会が少ないメディアで語られると非常にやっかいなことになる、マナー勝手創造問題。こういうマナーが正しい、これをしないと恥だ、これが昔からのしきたりだ、的な。それが本当に存在している、伝承されているのなら百歩譲って「そういう話もあるのね」ということになるけど、それが一部の方々の懐を温めたり土台を作るツールとしてのものだったり、いい加減なネタ話や歴史も伝承もほとんど無いようなモノを古式ゆかしいものとして伝える事でメディアの消費材として使ってしまったりとなると、色々な方面が迷惑をこうむることになる。
直接人体と関わる話では無いかもしれないけど、ちょいと前のDeNAによるWelq問題のような、医療方面での不確かな情報配信による問題と、どれほどの違いがあるのかな、と考えたりもする。
謎の就活マナー(自分がやってたときはこんなんなかった)とか謎のビジネスマナーとか謎の冠婚葬祭のしきたりが続々と「開発」されてリクルートや研修やさんが儲けてるのを見るたびに、「未知のウイルスを作ってばらまいてその特効薬を売り出してボロ儲けしてる悪徳製薬会社と哀れな人々......」って思う
— しをはら@人権待機 (@hakatano_shiwo) 2018年8月15日
自分達が作った特効薬でしか治らない疫病をばらまく業者というと、いかにもSFネタっぽい感じがするけど、それほど大きな違いは無い気もする。その辺りまで含め、そして恐らくは発信側はさほど悪意を持っていないという点までも、創造によるマナー問題はフェイクニュースとまったく同じでは無いかなという気がするのだな。自分の懐を温めるために流言をばらまき、あとは知らんぷり。自分の責を感じることはほとんど無い、下手をするとむしろよい事だとすら自覚しているとか、ね。
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