関空の「コンビニの食糧尽きる」報道

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近畿地方を中心に、記録的な暴風や高潮となった強い台風21号の影響で、関西空港は9月4日、2本ある滑走路のうち、第1ターミナル側のA滑走路が最大約50センチ冠水した。関空を運営する関西エアポート(KAP)によると、4日午後10時現在、約3000人が関空内で孤立していることを明らかにした。空港島へ渡る連絡橋の南側にタンカーが衝突したため、避難方法については調整中だという。関空を拠点とするピーチ・アビエーション(APJ/MM)によると、空港島内のコンビニは食料品などがほぼなくなったという。

関空が今回の台風21号の豪雨で水没し、連絡橋もタンカー衝突で利用が困難となり、孤立してしまったという話。これに関して自衛隊を投入して救助に当たらせろとかいう、毎度おなじみのお騒ぎ組が騒いでいるけど、そういうスットコな話は放置プレイで良いとして。

ちょいと目に留まったのがこの報道。タイトルに「コンビニ食料尽きる」、本文でも「空港島内にあるコンビニエンスストアには、食料や飲み物を買い求める人で行列ができたといい、KAPが備蓄していた非常食を利用者に配った」「空港島内のコンビニは食料品などがほぼなくなったという」とあり、ヤバいもう食料が底を尽きたんではと思わせるような描写。


しかし実際にはそんなことは無く、予め地震などに備えて色々と備蓄は行われている。それをなぜ言及していないのか。「備蓄していた非常食を利用者に配った」と書いたから別にいいじゃないのかいう位の話で、今件のような表記の方が目に留まりやすいからというイエロージャーナリズム的な発想以上のものは無いのか、いわゆる「報じない自由」の行使なのか、とか色々と考えてみたりもする。

書き手側本人は悪気がまったく無いのかもしれない。だとすれば先行記事の「世界は自分の想定を超えている」って話に通じるし、また同時に報道界隈の品質問題とも通じてしまう。

報道ってのは内容が公明正大で事実であるのが前提で、分かりやすく端的に情報を伝えてくれるからこそ傾注し、信じても良いってことになっている。それを期待しているからこそ、社会的に色々な優遇措置が取られている。その前提が崩れてくると、どうなるのかなあ、という気もする。

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このページは、不破雷蔵が2018年9月 5日 06:40に書いた記事です。

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