印税を「あぶく銭」と表現するセンス

| コメント(0)


印税に限らず何かまとまったお金が入ると、必ずこのような話を持ち掛けてくる筋がある。大した努力もせずに手に入ったそのお金はあぶく銭に違いない。貯め込まずに使わないと罰が当たるよ、そこでこんな話はどうでしょうか、という形で、他人が手に入れたものを自分の益的な形に持っていくことを正当化する詭弁的なもの。

そりゃあ例えば宝くじに当たったりとか、拾ったお金を届けて半年ぐらい持ち主が見つからずに自分のものになったりとかいうのなら、本当にあぶく銭に違いない。そしてその類のお金を貯め込んでおくってのは、お金の社会循環の観点ではあまりよろしくない気もする。ただそれを「バチが当たる」ってのは言い過ぎだし、第一そういうのは持ち主本人が言う言葉であり、第三者が語るものでは無い。ましてや他人に物事をお願いする時の正当化に使っちゃいけない。

こういう話があっても「仮に印税があぶく銭であったとしても、そのような話を当人にするような人がかかわる事業には投資の意味が無い」で打ち切るのが一番かな、と。投資をしてほしいのならどのような対応を出資者にすべきか、それすら理解が出来ていないのだから、お先は明るくない。投資は慈善事業では無い。

そして、著作物の印税に関しては指摘の通り、原稿料だけでプラマイのバランスが取れるのではなく、印税まで含めてはじめてビジネスとして成り立つってのが多い。だからこそ昨今における、単行本化がされにくい、されても冊数が少ないってのは、著作物におけるビジネスモデルが危うくなっているのだけどね。

それにしても「原稿執筆は印税のための先行投資」というのは素晴らしいフレーズではある......ウェブ記事はリターンの無い投資ってことになってしまうなあ(汗)。


考えてみれば印税にしても、空から降ってくるわけでは無く、出版された単行本に対する報酬に他ならない。それがまっとうな収入でなくてなんだというのか。あぶく銭扱いされるのは誠に遺憾だな、という思いを抱くのは当方だけではあるまい。

関連記事             

コメントする

            
Powered by Movable Type 4.27-ja
Garbagenews.com

この記事について

このページは、不破雷蔵が2018年10月23日 07:14に書いた記事です。

ひとつ前の記事は「急性胃腸炎に要注意という話」です。

次の記事は「「ステルス値上げ一覧」を見て騒ぐお話」です。

最近のコンテンツはインデックスページで見られます。過去に書かれたものはアーカイブのページで見られます。

* * * * * * * * * * * * * *


2021年6月

    1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30