知人から「新規事業に出資して欲しい」という話があって、とある会社に出向いた。企画は良いけどリクープに難があると思ったので「出資は難しいかも」と言ったら、「印税入ったんでしょ?ああいうあぶく銭は使わないとバチあたるよ」と言われた。印税が「あぶく銭」だと思っている人って、本当に多い。
— はぁとふる舞国土 (@keiichisennsei) 2018年10月22日
商業出版は基本的に印税が入らないと赤字なンだよ。原稿執筆は印税のための先行投資なの!
— はぁとふる舞国土 (@keiichisennsei) 2018年10月22日
印税に限らず何かまとまったお金が入ると、必ずこのような話を持ち掛けてくる筋がある。大した努力もせずに手に入ったそのお金はあぶく銭に違いない。貯め込まずに使わないと罰が当たるよ、そこでこんな話はどうでしょうか、という形で、他人が手に入れたものを自分の益的な形に持っていくことを正当化する詭弁的なもの。
そりゃあ例えば宝くじに当たったりとか、拾ったお金を届けて半年ぐらい持ち主が見つからずに自分のものになったりとかいうのなら、本当にあぶく銭に違いない。そしてその類のお金を貯め込んでおくってのは、お金の社会循環の観点ではあまりよろしくない気もする。ただそれを「バチが当たる」ってのは言い過ぎだし、第一そういうのは持ち主本人が言う言葉であり、第三者が語るものでは無い。ましてや他人に物事をお願いする時の正当化に使っちゃいけない。
こういう話があっても「仮に印税があぶく銭であったとしても、そのような話を当人にするような人がかかわる事業には投資の意味が無い」で打ち切るのが一番かな、と。投資をしてほしいのならどのような対応を出資者にすべきか、それすら理解が出来ていないのだから、お先は明るくない。投資は慈善事業では無い。
そして、著作物の印税に関しては指摘の通り、原稿料だけでプラマイのバランスが取れるのではなく、印税まで含めてはじめてビジネスとして成り立つってのが多い。だからこそ昨今における、単行本化がされにくい、されても冊数が少ないってのは、著作物におけるビジネスモデルが危うくなっているのだけどね。
それにしても「原稿執筆は印税のための先行投資」というのは素晴らしいフレーズではある......ウェブ記事はリターンの無い投資ってことになってしまうなあ(汗)。
全くその通りで、俺の考える「収入」や「報酬」とは、誰かを喜ばせた・誰かの役に立ったことに対して支払われる物のことなので、印税はこれ以上ないほどまっとうな収入なんですよ。 https://t.co/Gj9MeDV6r9
— 上山道郎 (@ueyamamichiro) 2018年10月22日
考えてみれば印税にしても、空から降ってくるわけでは無く、出版された単行本に対する報酬に他ならない。それがまっとうな収入でなくてなんだというのか。あぶく銭扱いされるのは誠に遺憾だな、という思いを抱くのは当方だけではあるまい。
コメントする