ソニー、E3 2019を見送る方針明らかに。コミュニティとの交流方法を新たに模索、過去24年間で初の事態| 2018/11/16(金) - Yahoo!ニュース https://t.co/7NbVV1arni @YahooNewsTopics
— 不破雷蔵 (@Fuwarin) 2018年11月16日
E3にソニーが参加しないという話が出て、ちょいと色々と物議をかもしている。業績が落ちたとか喧嘩をしたとかじゃなく、時代の流れが変わってきたかな、それを象徴する出来事の一つとして位置づけられそうだ、という感じ。
あまりにもざっくばらんすぎるのだけど、情報の発信ルートが新聞とかテレビといったメディアのみで制限されていて、受信できる選択肢もそれらからしかできないという感じで限られていた昔は、一か所に集約してメディアにまとめて取得してもらって、一度に流してもらった方が、何かと便利だった。時間制の報道規制云々ってのも、結局まとめて取材してもらって、一気に流してもらうってことがあったから。
けれど情報の発信の手段が多様化し、消費者サイドが受信するルートも多元化したため、わざわざ新聞などのメディアに取材されやすいような場を設けていちどきに取材してもらうって必要性は薄れている。下手をすると有名なユーチューバーに取材をしてもらった方が、展示会に参加するよりも有益だってそろばん勘定が成り立つかもしれない。
情報のやり取りの多様化というか環境の変化が生じた結果としての、今回のソニーの決断ではないかな。既存の方法を継続する方が楽だけど、効用が減退している、新しい選択肢の方がより有益だと判断できるのなら、そちらにシフトするのは何も悪い話じゃない。
コミュニティが軸になってイベントとしても変質せざるを得なくなっている、という話は、今年のE3のレポートにも書いた。最大の話題の一つだったFortniteがらみが会場外独自イベントだったあたりで......:ゲームの中心は「コミュニティー」に E3詳報:朝日新聞デジタル https://t.co/RLclgCbMKo
— Munechika Nishida (@mnishi41) 2018年11月16日
E3にソニーが参加しない、というのは発表事物がどうこうじゃなく、「みんな一緒のイベントより、ファンとの関係を築く方が重要」という昨今の傾向の延長。EAもそうなったし、MSだって会場の外に独自展示にしたのはそのためだし、任天堂も近い発想で近年のブースを作ってた。
— Munechika Nishida (@mnishi41) 2018年11月16日
ゲームにおいては特に「ファンとの関係の継続と強化」が重要で、単純な「一斉開催イベント」の地位は(お祭りとしての価値はあっても)弱まっている。で、大手は自社イベントに力を注いだ方が......という流れ。「E3じゃないよね」というのは、数年来、現地で多くの人が言ってた話で......。
— Munechika Nishida (@mnishi41) 2018年11月16日
さらには情報発信の意味合いをも含めて考えた結果、とする解釈もあり、それは正しい分析かと。情報の発信そのものが目的じゃなく、それで何を得たいのかまでを考えると、発信は手段でしかない。
もう会場内にはEA出てないし、タイトルで言えばCoDもBFもRDRもFalloutも新作は全部E3初出じゃないし、PUBGもFortniteもE3とは全然違うところから出てきたゲームなんだから、クソ高い出展料でE3に出すのはまったくもって銀の弾丸ではない。 https://t.co/KyyH98sBFH
— Mill Yoshi (@ntheweird) 2018年11月16日
ちなみに、もうひとつの今の傾向が「メディアスキップ」だと思ってる。それがどんな意味を持ってて、「どう仕事しようかなあ」という話は、今日発行のメルマガに書きました。(E3の話がねんとうにあれば、もうちょい具体的で多くの人にピンと来る書き方ができた、と若干後悔してますけど)
— Munechika Nishida (@mnishi41) 2018年11月16日
というわけで、まぁ予測できたこととはいえPSXやるか、クラウドゲーム魔改造カンファレンスにして、ストリーミングの発表映像からいきなり遊べるようなのにしようぜ、という原稿を書いた https://t.co/3Wd9rtNH7T
— Mill Yoshi (@ntheweird) 2018年11月16日
メディアスキップというよりは、既存メディアの相対的な影響力の低下に伴う、自前メディアも含めた新しい選択肢へのシフトと解釈すればいいのかな、という気はする。お得意様向けビジネスへの傾注とでも判断できるのかな。
似たような話が自転車界隈にもあって、大きな自転車メーカーが、国内最大の展示会に出展せず、自前で発表会を開くことが増えてます
— 柏木@横須賀鎮守府 (@hmx17b) 2018年11月16日
何もこういう話はゲーム業界に限ったものでは無いようだ。そういやそんな観点で見直すと、色々とそういえばそんな気がってのはあったような。
YTuber司会でお披露目会なら、環境があれば自分も参加できるってのはスゴイかも。自宅で発表会参加とかいいなあ。色々な意味で。......ってああ、これって先日言及した、VRで自宅からライブ参加とコンセプト的には同じなんだな。
情報の質の多元的変化ってのは、色々な意味で既存概念を乗り越える、打ち崩していくのだろうなあ、という気がする。今件もまた、それを象徴する出来事の一つになるのだろう。
無論、E3をはじめとした物理的な展示会、集合会が無意味なものになるわけじゃない。例えば村祭りが当初の思惑とは異なり、定期的なお祭り騒ぎの機会となっているように、お祭り的なものの機会創生という割り切りをして、それを楽しむようにすればいいのではないかなという気がする。
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