「人手不足」の一端

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雇用のミスマッチは確かに人手不足の一因には違いないどころか大きな要因ではある。労働力人口の実情を見れば、働きたいけど働けないとか、働けるけどまだいいかなあという人は結構いるので、そういう人達がさらに少なくなるような手ほどきが必要(差配に投入するリソースが大きくなりすぎると、他の手立てを講じた方が効果的という臨界点に達してしまうのだけど)。

で、今件では指摘されている通り、職種によって大きく求人倍率に差異が出ているのが分かる、のだけど、これもある程度仕方が無いところがある。求職する側が求めている職種じゃなきゃイヤだと言えばそれまでだし(雇用市場が健全化してくると、我慢して望まない職種に就職しなくても大丈夫かもとの思いが強くなり、ミスマッチ感が強くなる)、技術や経験が無いと就労できない職種も多分にある。例えば医師とか薬剤師はその方面の資格が無いと就業できない。

他方、事務職はすべてがじゃないけど、比較的にハードルは低い。なので、求職者は多いし、求人数はさほど増えていないので、求人倍率がもりもり感になるのは当然の話。


また、データは出ていないし出せないし、特殊な事情で無いと年齢や男女別の区切りはアウトになるのでデータそのものが無い気もするのだけど、事務職の場合、技術革新による少人数化に加え、高齢者の再雇用者の多分がそこに収まっている可能性もある気がする。再雇用で充当してしまうから、外部からの求人というステップに進まない、と。

まぁ、奴隷というか、かつてのデフレ時代同様の雇用条件で雇用できるような人員が欲しいという本音は指摘の通りで。「外国人就労者が欲しい」とする意見の内側、というか実情は、まさにそれだからね。人手不足、人材プールが枯渇しているってのは要するに、今までと同じように低賃金でこき使える条件で探すと見つからないだけの話。社会環境の変化を認めない、認めたくないって考えが「人材不足、外国人就労者が欲しい」であり、その中身は「(これまで通りに安値でこき使える)人材不足、(安値で使えそうな)外国人就労者が欲しい」だからねえ。それをしっかりとアピールすればまだかわいげもあるのだけど、単に人手不足人手不足とだけ大騒ぎし、自分達はかわいそうな存在だとするから始末に負えない。

先日の【「人手不足」と騒ぐけど、一番不足しているのは報道の「人材不足」では無いか】と同じく、社会の変化を頑なに否定する、変化を肯定したくない人達が、淘汰されたくなくてあがいているまでの話でしか無く。あがくのは勝手ではあるのだけど、周囲に迷惑をかけるのは止めてほしいな、という気がする。

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このページは、不破雷蔵が2018年11月19日 07:21に書いた記事です。

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