発売日なのにオンラインストアの商品ページに書影が出ない問題

| コメント(0)


書影ってのは本の表紙。要は本の外観。本屋に行けば実本の表紙がずらりと並んで「買って買って」アピールをしていて、まるでペットショップの猫ちゃん達のような様相ではあるし、表紙買いという言葉があるぐらい表紙デザインは本にとっては欠かせないアピールポイントに他ならない。だからこそ出版社も作者も気合を入れる。

にもかかわらず、発売日直前まで、下手をすると今件のように発売日になっても書影が出ないってことがある。もちろん作品そのものが根っから好きな人なら表紙のある無しなど構わぬってことになるのだけど、一見さんとか「こんな本も買っています」的なところからの連想で気が付くか否かとか、そして何よりソーシャルメディアでの情報展開、拡散度も段違い平行棒的なものとなる。マーケ用語なら機会損失。

さらにいえば昨今の出版業界、特にコミック系では超初速、ぶっちゃけると発売一週間後の動きでその後の命運が決まるとすら言われている。にもかかわらずこんな状況では書き手側が嘆くのも仕方が無い。というか何やってるんだろう。デザインができていないとかいうことはありえないのだし。

出版側からしてみればたくさんの取り扱い本のうちの一つ二つかもしれないけど、書き手側にしてみれば大切な一冊に違いない。それに関して自分とは関係の無い点で足かせをされるのは理不尽な話に違いない。


正直なところ、書影に関してはデータが完品となった時点で即時ネット通販サイトにデータを渡すべきだし、同時に作者や出版社側も自由に販促用として使ってよいぐらいの許可はしてもいいのでは、という気がする。映画やイベントなどでよく行わるティーザー広告みたいなもの(表紙だけで注目を集めさせる、全体の告知をするけど中身は見せないという意味ではまさにその通り)。その方が発売日前の告知集客効果も高められるし、予約の底上げも期待できる。

一度作業のテンプレを創ってしまえば投入リソースは最小限で済むし、効果は確実に期待できると思うのだけど、やはり昔ながらの慣習の問題とか、単に面倒くさいってのがあるのかなあ。だったら初速で戦略的判断を下すとかいうスタイルも止めればいいのに。

関連記事             

コメントする

            
Powered by Movable Type 4.27-ja
Garbagenews.com

この記事について

このページは、不破雷蔵が2018年11月25日 07:42に書いた記事です。

ひとつ前の記事は「公的機関のボランティア募集は労役と同じ」です。

次の記事は「「新しいものはいいものだ」への偏向とそれが正しいとは限らない点」です。

最近のコンテンツはインデックスページで見られます。過去に書かれたものはアーカイブのページで見られます。

* * * * * * * * * * * * * *


2021年6月

    1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30