学術論文をネタにした日本の記事で本当にダメなのは、「英科学誌電子版に発表」みたいな曖昧な書き方で一次情報の検証をやりにくくするところ。web記事にURLを2バイト文字で書くような超絶的に頭の悪い風習がある業界に期待するのが間違いなのかもしれんけど、電子版なんだから論文にリンク貼れよ。
— PKA (@PKAnzug) 2018年11月23日
今件引用元は学術論文ネタの記事への指摘だけど、それに限らず、何らかの発表やら報告書からの公知的な記事で、その引用元がまったく書かれていなかったり、曖昧な内容で具体的な資料名が出ていないってことは結構ある。当方もよくぶー垂れて推測から資料をたどって確認して、記事内容とまったく別物じゃんというツッコミをすることがよくある。
元々が紙の新聞やらテレビの映像でのニュースなのだから、リンクとか具体的な資料名の提示など要らない、読者や視聴者はそんなの気にしない。だからそこからの転送のウェブ記事だって別に無くていいじゃん、面倒くさいし、的な話が本音なのだろう。
でもそれでいいの? っていうか新聞やらテレビって、そういういい加減なことやってたんだ、という感は強い。本当に手元に該当資料があって、それを元に報じてるのかなという疑いすら出てきたりする。
見方を変えると、電子版、ウェブ掲載のメリットを全然活かせていないってことになるんだよね、これって。そしてこれまでの仕事の雑さが電子版で暴露されてしまっているってことでもある。
「○○大学の××さん」という名前から探そうとすると、その大学のサイトにすら研究業績系のリリース文が何も掲載されていないことも...。(←最近あった)
— Nakamura (@ma_naka) 2018年11月23日
「そんな雑魚論文、記事にしてるんじゃねー」ってやつですね。
— PKA (@PKAnzug) 2018年11月23日
ただ、「研究者の名前と所属から論文を探せない」という点に関しては、「学術の世界において、研究者個々人の扱いがものすごく雑」という問題が根本にあるので、メディアのことばっか悪く言えない部分ではあります。
有料の論文でもアブストラクトだったら無料ですよ。問題は「どの論文なのかわからない」という部分なので、「ネタ元はこの論文」というのを示してあれば、たとえ全文閲覧は有料でもそこはメディアの責任ではないと思うのです。
— PKA (@PKAnzug) 2018年11月25日
掲載されている学歴とか出元の概要を見るとなんだかすごい話っぽいなという印象があるのだけど、一次ソースを探したらスットコな話だったとかってのも結構あったりする。記者が素で勘違いしているのか、あるいは悪用しているのかまでは分からないけど、肩書を悪用して世論誘導するという記事の実情が色々と暴露されているのを見るに、多分に後者のケースが多いんだろうなあ、と。いわゆる出羽守が大儲けするってのもよく分かる。
個人的にヤフーのニュースで解説コメントできるものは、一次ソースを極力掘り出して貼り付けている。今件のような話があるからってのが理由なんだな。
あ、ちなみに「アブストラクト」ってのは概要とか要旨って意味ね。
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