ウェブコミックの印税問題

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大元のツイートは色々な事情から削除されてしまったようだけど、今やごく普通の話となったウェブ上でのコミックの掲載に関する印税のお話。以前にも何度か言及したけど、ウェブ上でのコミックの掲載ってのは、読む側にしてみれば媒体が紙媒体だけでなくウェブ上という選択肢が加わったまでの話でしかないわけで、そちらの方が便利だったり読むハードルが低いのなら、読み手が増えるのも当然の話。雑誌のようにおまとめじゃなく、自分が好きな作品を任意に選択できるから、お弁当では無く回転寿司を食べられるようなものなので、勝手がいいってのもメリットではある。

で、その媒体で掲載するコンテンツを作る作家側に提供する対価報酬に関してだけど、恐らくは紙媒体以上に雑な感じがする。紙媒体である程度蓄積を持つところならその仕組みをそのままスライドするまでの話ではあるけど(それを知った上でさらに値切る可能性はある)、その辺の経験やノウハウが無いと、極力絞って菜種油状態にすることはありえる。儲けのしくみとしか考えていないってところ。ブームになる物事があると必ずどこかからやってくるハエみたいなものだ。

この辺は受け手側の作家同士の間で情報共有が行われているとか、公開されていればある程度暴利は防げるのだけど、同じ賃貸住宅に住む人が隣人の家賃を聞くわけにはいかないってのと同じで、色々と難しいのだろうなあ、と。また、掲載ハードルが低いものだから「報酬は低くてもいい、とにかく掲載してくれればいい」って感じで受けてしまう事例もあるのだろう。本人が納得しているのなら構わないけど、あとで相場を知って「騙された、買い叩かれた」と悔やんでも遅いのだな。


印税率が低いとか対価報酬の仕組みがアレだとか、出版社側の景況感が悪いからとの説明もあるかもしれないけど、それは作家側も同様であって。作家にその状況を丸投げしているってことは見方を変えると、作家の生き血を吸って生き永らえようとしているのと変わらないわけで。そういうところに頭を下げていると、食いつぶされるだけという判断は間違っていない。以前触れたこともある「次があるから今回はお安めで」「宣伝になると思って」と語る相手はそもそもそういう水準でしかそろばん勘定ができないところだから、恩を売っても意味は無いってのと何ら変わりは無い。

しかし印税率3%とかって初めて聞いたな...どれだけぼろ儲け前提で出版側がそろばん弾いているのか、資料を見てみたいものではある。

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このページは、不破雷蔵が2018年12月20日 07:00に書いた記事です。

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