ターゲティング広告が嫌われるのは、情報が利用されてるからっていうより、例えば成田空港近くのホテルを予約した直後に「成田に泊まるのが好きなんだね!?こんなホテルもあるよ!あんなホテルもあるよ!」って薦めてくる頭の悪さではないだろうか。
— いっちー (@kingsofmetal666) 2019年1月6日
ターゲティング広告というのはアクセスをしている人の行動履歴(例えばサイトの閲覧履歴とか該当する特定サイト内の巡回形跡)を基に、適切だと思われる広告の表示優先順位を上げて、いかにも需要にあったような広告表示をさせるという仕組み。カレーの検索ばかりをしていると、広告にはカレーショップやらカレーの通販のが出て来るとか、練馬区界隈のチェックをしていると、練馬区の不動産の話が次々出て来るとか、そういうもの。
その広告配信の仕組みってのは、広告代理店毎に違いがあって、当然ロジックの中身とかパラメータは別のもの。同じ日本語を話す人でも口調やらイントネーションやらボキャブラリは別物だよってのと同じ。また、ロジックが同じでも用意されている広告によって結果は結構変わってくる。
で、単純にパラメータのリンクで考えるタイプの広告だと、今件のようにおかしな話が出てきたりする。確かに成田のそばでのホテルをチェックしてはいるけど、予約したばかりなのに他のホテルの推挙をしてくるのはどういうことだ、お腹いっぱいの所にさらに料理を出してくるようなものだし、薦められたホテルの条件が予約したものよりよいものだと、かえって残念感が沸き上がってしまう。
「新しい炊飯器を買ったんだね!こんな炊飯器もあるよ!あんな炊飯器もあるよ!」
— 不破雷蔵 (@Fuwarin) 2019年1月6日
『炊飯器はそんなにいらない』https://t.co/nUOmy9GD9T
もっと極端な話だとこんなもの。ネタ的なものだけど、現実問題として結構あるのだから始末に負えない。
これって要は、広告ロジックで閲覧している人が最も興味を持っているものの類似広告・商品を表示させるという、単純なものでしかないのが原因。ある本を買ったら類似の本とか同一作者の本とか、過去の他人の購入性向をビッグデータ的に取得精査して連鎖購入したものを推挙するってのなら話は分かるし効果は高いけど、それと同じようなロジックをそのまま炊飯器とかホテルの予約に使っちゃいけない。「当ホテルのご予約ありがとうございます。それではこのホテルの予約もしてみてはいかがですか」と他のホテルを推挙するコンシェルジェがどこにいるのか。
商品によっては単なる類似品よりも、関連する商品を上げた方が効果が高い。炊飯器だったら「新生活で調度品の調達かな。だったら冷蔵庫とかトースターとか電子レンジはどうだろう」とか「炊飯器を買ったらお米だよね」という話になる。AIなどと絡めれば、より賢いコンシェルジェになるだろう。
その辺りの商品・サービスによる特性を反映したターゲティング広告なら、もう少し賢い、役立つ広告になるとは思うのだけど......その分ロジックが面倒になるし、入力データが雑多なものになるし、処理速度がアレになるのだよね。色々と難しい。
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