アニメーターさんのお給料が安いのは時々話題になるけど漫画家の原稿料もここ20年以上全然水準上がってないのよね。物価から考えたらむしろ下がってると言って良い。
— フクダーダ (@ffkkdddd) 2019年1月5日
漫画家の冗談みたいな原稿料は、印税というフォローシステムがあってなんとか納得できるものだったのだが、「超売れる本とちょっとしか売れない本」に二極化した市場では、今までフォロー出来ていた作家層がどんどんこぼれ落ちていく。電子書籍の登場はその破局を現時点で延命しているに過ぎない。
— 松田未来 夜光雲のサリッサ連載中! (@macchiMC72) 2019年1月6日
漫画家にかかわらず雑誌掲載ののちに単行本化されるタイプの文筆界隈は、大体同じ構造を持っている。一応建前としては雑誌掲載時の原稿料が対価ではあるのだけど、その対価はおチープなものであって、そのおチープさを単行本化した時の印税でサポートしているという暗黙の了解的なものがある。原稿料が基本給で、印税がその他色々な手当てとか残業代とか。ごくまれにキャラクタグッズ化とかアニメ化した時にはボーナス的なもの。基本は原稿料と印税で生活するようなそろばん勘定になっている。原稿料だけではホント、原稿の原材料費レベルでしかない。
で、それは昔のように単行本化は当たり前、出たらそこそこ冊数が出るよねという環境下でのお話だったのだけど、今のように環境が大きく変わると、これまでの様式では色々とひずみが生じてくる。周辺環境が変われば仕組みも変えなきゃいけない、恐竜の絶滅説とか、OSのアップデートと同じ話。
ところが漫画とか雑誌掲載の執筆周りでは、この環境変化に伴う仕組みの再構築が追い付かない状態だったりする。既存の仕組みを使っているところが頑ななのも一因だけど。電子書籍は確かに新しい仕組みで、少なからぬ人の支えになっているけど、デジタル系の常のように二極化しやすいから(アマゾンのように底辺のものまで拾っていく仕組み(ロングテール)が多分となるので、組織側は儲かるけど、個々の存在側は超売れるものと売れないものとに分かれてしまう)、芽がどんどん育たずにしおれてしまう。まぁ、芽そのものが増えるので、見た目にはあまり変わらないよね、という感はあるけど。
出版社そのものの維持を考えても、過去作あるいはまだ売れ筋が見えない作品の掘り起こしを電子書籍という低コストの商品展開で進めていくべきなのだけど、今のところ各社ばらついていて生かしきっているとは言えない。宣伝や営業への投資が変わらないのも危機感を感じる。
— 松田未来 夜光雲のサリッサ連載中! (@macchiMC72) 2019年1月6日
今のところ、販促活動は作者や担当編集者個人の努力に丸投げされているのが現状。作家は貴重なリソースを宣伝に割いているという見方もできる。これではタコが自分の足を食うのと変わらない。
— 松田未来 夜光雲のサリッサ連載中! (@macchiMC72) 2019年1月6日
それならそれで、単行本作業や販促活動にギャラが出るようになれば割り切ることもできるのだけど、それが出来ている出版社は大手であっても少ない。
— 松田未来 夜光雲のサリッサ連載中! (@macchiMC72) 2019年1月6日
現状では指摘されている通り、今後を見極めて作り手を育てたり、昔の良作を掘り起こしてプラットフォームを変えて提供し新たな土壌を作り上げるという、先を見越した作業をすべきなのだけど、その辺がどうも曖昧だし、やる気がないところも多分にあるし、むしろ今の自分が食えればいいよという形で「種もみ寄越せ族」化している雰囲気も否定できない。
今まで企業側がやっていたことを、自分達は忙しいから、リソースが足りないからと作家側に投げるケースも多々見受けられる。一理はあるかもしれないけど二理以上は無い。むしろ作家の作業を増やしているのだから、その分対価を寄越せという主張も当然だけど、元々リソースが無いから投げているのであって、対価を提供できるはずも無い。
そういう状況下で、「ネットで爆上げしたコンテンツを本にする」という商売がいかに美味しいかがわかる。自分で育てる人材・コンテンツじゃないから見限るときはさっくり切れるしね。しかも、相手が素人なのを見越して描き下ろしにコストを割かず印税をケチってるとなれば美味しすぎる商売だろう。
— 松田未来 夜光雲のサリッサ連載中! (@macchiMC72) 2019年1月6日
今までは雑誌が売れてて出版社が強くて、作家は編集主導に従いシステムの中で書いていけば良かったが、ネットの普及で雑誌が売れなくなり体制は崩壊一歩手前、作家が自己プロデュースする時代が来つつある
— 外薗昌也 (@hokazonomasaya) 2019年1月5日
自己プロデュース出来ない作家は淘汰されていくだろう
凄い時代になった
昔は出版社が唯一社会との窓口でファンレターくらいしか読者との交流手段なかったんですが、今はSNSの普及でダイレクトに繋がれますね、自己プロデュースには良い事です、
— 外薗昌也 (@hokazonomasaya) 2019年1月5日
そこにデジタル書店が乗っかってあの手この手で販売を広げ盛況です、
作家の資質次第ですね、
究極を言うと、本よりオンライン媒体の漫画の売上が大きくなったら、読者=漫画家と直結するので、中間の出版社や本屋が必要なくなりますよね。それが良いのか悪いのかわかりませんが。
— おっぱい (@ma_sa_o) 2019年1月5日
自己プロデュースは簡単でないと思いますが、出版社や本屋などのコストが削られ一冊当たりの儲けが増えるとすると、今までだと最低1万部売れないと打ち切りになっていた所を5000部、3000部とかでも十分食って行けるかもですね。ニッチな需要の漫画とかでも食って行けそうです。
— おっぱい (@ma_sa_o) 2019年1月5日
ダイレクトに繋がると、それが可能になるんですよね
— 外薗昌也 (@hokazonomasaya) 2019年1月5日
過酷な大量生産システムからも解放されます
こういう状況では青田刈り的なものと使い捨てがはびこるのも理解はできるし、それですらもまた、既存の業界構造離れを促進させてしまう一因となる。無論出版社やら編集者が本を創っていくというこれまでの体制が無くなるとは思えないけど、多様性によるゆるやかな業界が作り上げられていく過程にあるのだろうし、このへんのノウハウをテンプレ化、マニュアル化できる技術を持つ人がプロデューサー化してサポートする時代も、そう遠くないのかもなという気がする。キンドル出版を使えば、その辺りの作業効率はぐんとよくなるし。
あれだよね、タレントからユーチューバー、さらにはバーチャルユーチューバーの時代へのシフトと似たような香りを覚えるよね。
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