選択肢が増え、元の選択肢の条件が悪化した時代。それが漫画家や作家の世界

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インターネットの普及で色々なツールが生み出されて利用ハードルが個人にまで下がり、情報発信が多様な方法で容易にできるようになったこともあり、漫画家にしても作家にしても、自分の作った創作物を世間一般に公知して商売を成す、という生業に関して、選択肢が増えたことは間違いない。一昔前なら自主出版っていったら同人誌ぐらいしかイメージできなかったし、それで食べていけるのはごくごくわずかな人でしかなかったけど、今では例えば電子出版の利用ハードルがめがっさ低くなったし、それに生活を支えられている人は山ほどいる。

無論、今までの手法同様に出版社と手をつないでやっていくのも悪くない。使えるツールは何でも使う。優秀で誠意ある人もたくさんいる。けれど、全体的には環境が悪化しているのは否定できないし、今までなら何とかなったルートが全然使い物にならなくなったってのも多々ある。世の中便利になったはずなのに、作家への負担が増える、というか出版社が対応すべき作業が作家に丸投げされるというパターンが増えている。

選択肢が増えた事は便利ではあるしよい事ではあるのだけど、同時に面倒くさい時代ではあるなあ、と。


指摘されている通り、面倒くさいの際たるものは、漫画家や作家ではなく、出版社側がしなきゃならなかったことまで、作家側がしなきゃらならないのか、という状況になりつつあるってこと。事業分担制的な状態で創作に専念できていたのが、プロモーションやら事業計画やらまで一人でやらなきゃならなくなってる。映画監督が広報や宣伝、役所などとの折衝、人材調達や舞台製作までしなきゃならないような。

色々やりたい、自分の作ったものをどんどん思うがままに広めていきたいという人には良い時代だけど、とにかく自分は作品を創作したいんだ、という人には生き難い時代になりつつあるのかなあ、という気がする。サポートするようなサービスとかがあればいいんだけどね(あったらあったで結局、既存の出版社の立ち位置がますます危ういものになるのだけど)。

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このページは、不破雷蔵が2019年1月21日 07:13に書いた記事です。

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