ファミリーマートも「成人向け雑誌」の販売中止を決定との報

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 大手コンビニエンスストアチェーン「ファミリーマート」は1月22日、「2019年8月末日をもちまして、原則、全国のファミリーマート店舗にて、『成人向け雑誌』の販売を中止いたします」との意向を発表しました。

先日の大手三社コンビニのうちローソンは公式発表リリース付きで、セブンは報道界隈に向けた内部リリースを出したのだと思われるような動向で、「成人向け雑誌」の取り扱いを止めるとの話に続き、ファミマも同じ動きを示したということで、ちょいとした騒ぎに。一日で話が180度ひっくり返るってのはどうしたもんだか。いいのか、上場企業がそれで。

で、個人的に気になっている点がいくつかあって。まず一つ目は取り扱いを止めた「成人向け雑誌」というカテゴリ。元々成人向けとラベリングされている雑誌はコンビニには入荷されていない。ローソンのリリースではコンビニ協会のガイドラインに従って判断された雑誌という定義があるけど、恐らくは他のコンビニも同じ精査をするのだろう。

ただこれだと、コンビニ側が検閲権を持つことになる。まぁ、商売の上で採算が取れないっぽいのを売らないようにするってのは、別に構わないし何の問題も無いのだけど。その判断の際に、公に指摘されているようにイメージ的な云々とか配慮がかんぬんってのは非常にマズい。他の雑誌にも飛び火をしかねない。コンビニ側がそろばん勘定が合うものだとしても、圧力団体が騒ぎ出したらどんなものでも同じような措置を取られ得る。また、女性や子供を盾にするって論法もよくないよなあ、と。弱者ビジネスと何ら変わりはない。


指摘の通り、不快だと思われやすいものを排除するという考えを前提に決断をしましたという話を公言するってのは、色々と問題がある。一時的なイメージ戦略としては正しいかもしれないけど、よく考えるとそれっておかしくないかな、ということになりかねない。たばこはどうなるの、宝くじを買わせるのはどうなんだろう、お酒もおいたらマズくないかな、という感じで始まって、特定の考えにマッチしなければパージされるということになってしまう。

コンビニ大手三社の「成人向け雑誌」の取り扱い中止は、ビジネスの観点では正論。売上は減る、客引き要素は減退、対外リスクは高まるとなれば、取り扱いを続けるそろばん勘定は合わない。ただ、その大義名分として掲げた内容は、一般受けがよさそうに見えるけど、大きな毒性を含んだものなんだよね。

その観点では単に「取りやめた」とのみ公言し、対象も日本フランチャイズチェーン協会のガイドラインに従ったものと明言しているローソンは賢明。もっともセブンとファミマは現時点で公式リリースが出ていないので解釈は難しい。

あるいはそれだからこそ、ファミマとセブン-イレブンは報道に情報を流すのみで、公式なリリースを出していないのかな、という邪推もできる。ねとらぼの記事を見る限り、何らかのペーパーが出ていそうなんだけどね。この辺りは闇のなかだし、大人の事情云々というのなら、そんなもの鼻紙よりも価値の無いものでしかない。

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このページは、不破雷蔵が2019年1月23日 07:32に書いた記事です。

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