敢えてマスクをせずに「マナー向上」をアピールする市役所

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青森県むつ市は、窓口で市民と応対する職員に対し、特段の事情がないかぎりマスクをつけずに接するよう求めている。「不快な印象を与えない」とする窓口対応改革の一つだ。風邪の流行期となる冬場はマスク姿が多くなりがちだが、体調が悪い職員には「窓口対応をさせない」「自宅で休ませる」ことを徹底した上で「ノーマスク」を推進している。

インフルエンザ流行の時期になるとマスクをする人をよく見かけるようになる。公共機関ではおしなべて職員の人はマスクをしている。事情を知らない海外の人が見たら驚くだろうけど、相応の理由があるのだから文句を言うべきものでは無い。

今件ではかもしれないから、恐れがあるという懸念やらお気持ちやらで着用を禁止しているという。そして話題のマナー講師の影が確認できる。

確かにそういうアピールの上で実施すれば、賛同する人もいるだろう。ただ実質的な効果や問題を考えると、お気持ちファーストで振り回されるのって本当に怖いな、という感想しか出てこない。

今件では健康上の理由や業務上必要な場合以外に、体調が悪い場合はそもそも窓口対応をさせないなかったり自宅で休ませることで対応するとしています。しかしインフルエンザは本人の自覚症状が出る前に罹患している場合があります。そしてマスクは他人からのインフルなどを移されるのを予防する効果はさほど期待できませんが、自分のインフルを他人に移すのを予防するのには明確な効果があります。


つまり職員がマスクをするのは「自分を守るため」では無く「対応するお客を守るため」にあるのです。当人が自覚をしていなくてもインフルを罹患している可能性はあります。自覚症状が出てから休ませては遅いのです。マナー講師がどのような提言をしたかは分かりませんが、見た目のサービスは向上したとしても、インフル対応の観点では明らかにマイナス効果となります。

今件は評価できる話とは言えません。


該当記事に寄せた解説。マスクって結局、他人からの防衛って効果はあまり期待できなくて、他人への感染防止って意味合いが強いんだよね。つまり職員がノーマスクって状態は、来客にうつすかもしれないよっていうリスクが跳ね上がっていることを意味する。お気持ちファーストで相手を危険にさらしてどうするのよ、という感じではある。

インフルエンザは基本的に本人が自覚する前に罹患している。罹患した途端に発病するわけじゃないし、発病しても本人が体調不良をすぐに認識するかどうかは分からないし、さらに体調不良を自覚してもそれがインフルだと判断できるかどうかも分からない。体調不良っても色々な程度があるからねえ。ゲームみたいにステータスウィンドウで確認ができればいいのだけど。

お気持ちヤクザで実害を受けうるケースとして、伝承すべき話ではあるし、称賛する形で掲載した朝日新聞の姿勢にも疑問を呈したいところではある。

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このページは、不破雷蔵が2019年2月 7日 06:24に書いた記事です。

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