新聞社が軽減税率を死に物狂いで求めているのは、適用されないと値上げが不可欠となり、それは必然的に部数の絶望的な減少につながるという経験則に基づいたものだろうな、という推測。値上げをして得られる売上のアップ以上に部数が減り、広告の単価も下がるし広告の誘引力も落ちる。
— 不破雷蔵 (@Fuwarin) 2019年2月17日
日経新聞が直近半年期で思いっきり部数を下げていて、これは押し紙を内部的に減らしているのではというわけでは無く、先の値上げが原因なんだろうなあ、とグラフを見返しながら思ったこと。因果関係を立証することは不可能なんだけど(新聞購読を止めた方に聞きました。なぜ止めたのですかなんていうアンケートを取るわけにもいかないし)、相関関係についてはダイナミック当てはまる次第。他の新聞社の時系列的な価格動向を取得できれば、面白い話が展開できそうなんだけど。
で、昨今の軽減税率に関して、何で突拍子もない形で新聞が対象になったのか。某党が半ば公約的に云々って話は別として、新聞社がそれを求めているのは、多分に新聞の値上げと大きな繋がりがあるからだろうなあ、という推論。適用されたら値上げも止む無しという状況に追い込まれるだろうし、そうなったら単価の増加による総売上のアップ期待以上に、部数が減ってしまう。部数が減れば集客効果も減るから広告の単価も下がるので、新聞の直接的な売上だけでなく広告費まで減ってしまう。そして影響力も当然落ちる。
新聞は定期購読による半ば惰性的な購入。支払額が増えるとそこで初めて「購読し続けるか否か」という判断の気づきが生じてしまう。新聞社はこれを極力避けたい。気付かせたくない。週刊誌の購読で好きな連載が終わってしまうと「じゃあもう買うの止めるか」という判断が生じるのと同じ。
— 不破雷蔵 (@Fuwarin) 2019年2月17日
中身の良さとかで購入してもらっているのではなく、多分が惰性によるものだということを新聞社自身も気が付いているからこそ、本質的な中身の改善を手掛けるつもりなど無いわけですね。むしろそれをやると「購読し続けるか否か」という判断を生じさせてしまうわけです。
— 不破雷蔵 (@Fuwarin) 2019年2月17日
で、新聞ってのは多分に契約による購読で、惰性的な購入スタイルでしかない。値上げで支払額が増えると、継続するか否かを考える余地を与えてしまう。何もない時にいきなり新聞を削るって衝動に走るのは想定がし難いけどね。週刊誌の購読とかと同じようなもの。気付かせずに惰性で購入し続けさせるのが、売り手側としては最適。
中身が好きだから、役に立つからって要素が多分では無く、惰性で、何となく、ここで止めるのは何となくもったいないかなという程度の動機でしかない。値上げはそれを断ち切るのには十分な要素となる。だから下手な大改革も出来ない。それで読者に「買い続けるか否か」を考えさせる余地を与えてしまうから。
まぁ、ある意味、大きくなりすぎて環境に対応できなくなった恐竜みたいなもの。進化の袋小路みたいな状態にある、という表現も、あながち的外れではないのだろうな。
新聞販売は軽減税率が適用されても、紙代インク代や設備費には適用されないので、値上げは不可避。
— `('-' )' (@argonbay) 2019年2月18日
しかしそれをすると便乗値上げと批判されるのでどちらにせよ地獄。
販売店に押しつけるとパンクして廃業されるのでそれもできない。 https://t.co/pgIQnrxgnH
それに指摘の通り、新聞そのものが軽減税率の適用を受けても、材料費や配送費などのコストは別問題。下手をすると押し紙圧力がさらに増えるかもしれないなあ。
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