インタビューと誘導尋問

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今件はいくつかの要素を含んでいて、まずは高齢者へのインタビューにかかわる問題。記憶が曖昧になっていたり、話す対象の事象の後の経験が記憶を上書きしていることもあるので、その点には要注意。語った内容をそのまま書き起こすだけでは単なるテープ起こし。その後に明らかな間違いなどがあれば、その記事において注釈をしておかないと、誤認された情報がそのまま事実として流布されてしまう。「こう思っている、こう感じた、このように記憶している」と「事実の内容」とは別物だからね。同じ事故現場の状況説明をその場にいた別々の人にしてもらっても、それぞれ別の内容になるってことですら、よくある話。

そして高齢者へのインタビューは体力を使うから、相手の状況を見極めて適時に終わらせることも大切。

また、これは高齢者相手に限らないけど、相手の仕草をよく見極めることも不可欠。同じ文言でも仕草や表現で、意味する内容がまったく別物になるってことも多い。加え、尋問のような質問は避ける。


録音データは技術の進歩で起こしもある程度は楽になったけど、状況を含めたテキスト化となると、やはり時間はかかる。また、メモを取っておかないと構成が把握しにくいのも否定しない。メモは全文書き起こしではなく、重要だと思った部分のまとめだから、骨組みが見えやすくなる。

...ってあれだ、これ、今の報道界隈がやっているやらかしそのままだな。例に挙げられているNHKのニュースに限らず、この類のダメな例をそのまま行っている事例、結構あるよね。番組の、キャスターの思惑の補完やら補強やら裏付けのために、インタビューなり意見をしているわけではないのに、事実上そんな感じになってしまっている。要は今の報道って、基礎部分ですら出来ていないってのが目立っているのだな。

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このページは、不破雷蔵が2019年2月21日 07:50に書いた記事です。

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