出版業界の初速話で聞いたのが、「自分が読んでた作品が打ち切りになるのは悲しいから、ヒットしていて続きが保証されているものしか買わない客」がいるらしい。もともと売れてる本がますます部数を伸ばして、売れない本が大量に残る。作品点数を増やして数撃ちゃ当たる売り方には限界があるのでは。
— karzusp (@karzusp) 2019年2月28日
続きが保証されている作品しか買わない話、最近の「失敗したくない・失敗できない」風潮と、昨日つぶやいた「選択肢が多すぎると、人は選ぶのに疲れる」の2つから来てると思ってて。いろんなジャンルのヒット作という旨いところだけつまみ食いしてもお腹いっぱいになる時代。
— karzusp (@karzusp) 2019年2月28日
そういやスマホゲーも、「サービスが続きそうなくらい人気だから遊ぶ」って選び方と似てる。他人の評価じゃなくて自分の好きを信じろよ!と思いつつも、すぐにサービスが終わったら凹むので気持ちはわかるんですけど。
— karzusp (@karzusp) 2019年2月28日
出版業界の低迷ぶりは現状を正しく把握できない、内部構造の旧態依然的なところに大きな要因があるのではないかとし、具体的な一例として刊行後の初速的な売上ですらまともに把握できない、旧来のライン部分でしか確認できないという実情が話題となっている。その旧来ロジックで打ち切りか否かなどが判断されるので、ファンの読者にとっては人気がある、皆も買っているのに突然打ち切りになってしまうかもという不安にさらされる。
そして自分の愛している物語が、突然出版社側の都合によって首を絞められる、下手をするとある日朝起きたら世界が無くなっていました、的な展開に放り投げられてしまう。そんな悲しい体験はしたくないので、安全牌の作品にしか手をつけなくなるという傾向が生じてしまう。
これは「売れそうなものにはどんどん客が集まる」「売れ無さそうなところからは客が次々逃げていく」という二極化を促進するものとなる。続きが危ういと思われているところからは読者は逃げていくってのは、指摘の通り、失敗を避けたいとする消費者の傾向と合わせると、至極当然ではある。
...個人的にも昨今のラノベ系、なろう系のウェブコミック化で似たような経験・感想を抱いていたりもする。原作都合か作者都合か編集部都合か出版社都合かは知らないけど、突然連載が不定期になったり、更新未定になったり、掲載されている作品がガッツリ削られたりすると、その作品へのモチベーションがどん底まで落ちるし、その類の話が繰り返されるプラットフォームとか作者とかの作品は、ちょいと敬遠してしまう。
そのような傾向も合わせ、二極化するってのは仕方が無い。取得ハードルは低いのでリスクが高いところのコンテンツのつまみ食いでなら問題無いだろうってのも意見としてはあるかもしれないけど、その類のがたくさん出てくるとそれだけでお腹いっぱいになってしまう。食品売り場のサンプルで満腹してしまうようなもの。たまにならばいいけど、やっぱり腰を据えて食事をしたいよね、というのはモノの道理。
これって実のところ、デジタルサービス全般にいえることではある。デジタルサービスは継続利用が前提で、終了されると困るので、安全牌のところを選択するってのとと同じ理論。電子書籍のプラットフォームとか、ブログサービスとか、データ管理ソフトとか、携帯電話そのものとかね。
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