買取依頼の電話で、「美術全集」や「〇〇辞典」がある、とおっしゃる方が多いですが、この手の本は元の値段が高く、皆さん大事に保管されているため、市場にあふれており、ほぼお値段が付きません。古雑誌やパンフレットなど、普通なら捨ててしまうものの中に古本屋の欲しいものがある場合が多いです。
— なりたや書店【群馬県高崎市】 (@naritayasyoten) 2019年3月18日
昨日お伺いしたお宅は、税務関係の本が大量にあり、これは高いだろうとおっしゃられていました。正直古本屋としては買取できないものだったのですが、押し入れにゴミに出す雑誌があるからと見せてもらうと、昭和30年代の芸能誌が大量に。古本屋を呼んだ際には、とにかく全部見せることをお勧めします。
— なりたや書店【群馬県高崎市】 (@naritayasyoten) 2019年3月18日
当方も現在絶賛要らないものの整理&買取依頼をしていることもあり、この辺りのお話はよく分かったりする。歴史的な史料価値とか購入時の価格と、現在の市場価格・買取価格はまったく別物ということ。買取ってのは、値付けをする人、さらには市場そのもので需要があるからこそ行われる。ほしいと思う人がたくさんいれば値は張るし、一人もいなければゼロに等しくなる。ゴミくずのようなものでも、どうしても欲しいという人がたくさんいれば、高値がつくことに。値段は結局需要のあるなしを意味し、見方を変えれば値をつけてもらえば市場を経て第三者の手に渡る可能性が出てくる。
で、指摘されている通り、新品で購入した時にまとめてあり、しかも死蔵されているパターンが多いものは、同じような状況が多々あるわけで。供給が多くなる以上、値は下がる。しかも時を経たその類のものを欲しがる人がどれほどいるかを考えると、需要は極小で供給過多となるのは容易に理解ができる。税務系の本もその類で、どれほどきれいな状態で残っていても、税務の歴史をひも解く以外には、おおよそ役に立つことはない。何しろ昔の法令に基づいたものだから、学んだところで今の税務には役立たないから。まぁ、基本的な知識とかなら話は別だけど。
それよりはむしろ、事例にもあるように、普段から消費され捨てられることが多いようなものの方が、意外に価値を持っていたりする。持ち主自身が唯一の目利きってわけでは無いからね。
ただ注意して欲しいのは、特定の分野、業界では実際に価値があるものでも、業者の目利き度合いでゴミ扱いされてしまうことも多分にあるというお話。一冊・一品ごとに最適な専門家に鑑定してもらうのが一番なんだけど、相みつを取ってもらうなど、それをやっていたらきりがないってのも否めない。出そうとする物品に関して得意な業者をいかに見つけられるかが鍵なんだよね。
いや、実際いるのよ。この分野では専門の買取業者ですと自称しておいて、実のところ総合大手と比べて目利きが酷くて買取価格が数分の一になってしまうケースとかね。この辺はもう、相性の問題もあるから、経験則でやっていくしかないのだろうなあ、と。
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