新札発行でタンス預金が引き出されるかもという話

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現在、現金流通残高は100兆円あるが、そのうち流通していないタンス預金(退蔵紙幣)は約半分の50兆円(2019年1月末)もある。このタンス預金が動き出す可能性がある。


この巨大なタンス預金の持ち主は、現行札で持っているタンス預金が、2024年以降は古い紙幣となるのが居心地が悪いと思い、紙幣以外の保蔵手段に変更することが考えられる。また、それとは別に政府がタンス預金を狙って改刷を進めているのではないかと思う人々が、タンス預金以外に資金を分散した方が良さそうだと思って動かすことも起こりうるだろう。


新札が2024年から流通を開始するということで世間では話題に上っているけど、それに合わせて「旧札は使えなくなるよ」的な詐欺も横行するのだろうなあ、という感はある。で、それと連動するのかどうかは別として、現金そのものがしまい込まれる形でため込まれているタンス預金がどうなるかという話。

新聞記事ではあるけど、調べてみたら第一生命経済研究所のレポートのほぼ丸写しだった。で、その元レポートを探して内容を精査してコメントしようと下書きを終えたら、コメントができない記事だと気が付いて頭を抱えた次第。折角だからこちらで記事にする。


で、前回の新札発行の時には3%ぐらいがタンス預金から流入したから、今回もそれくらいになるのでは云々って話なんだけど、その3%にしてもタイムラグがあるし、グラフを見れば分かる通り、誤差の範囲というか一定のぶれの領域でしかないんだよね...ってこれはあれか。新札発行後の分しかチャートが無いのか。ただ説明を読む限り、前後の動向とか他の要素の考慮を一切検証せずに、すべてが新札切り替えでのみ生じたという前提になっているので、かなり眉唾ではある。この辺り、計算方法を突き詰めて独自計算をして、もう少し長期なグラフを作りたいところではあるのだけど。

まぁいずれにしても、元々新札発行はタンス預金の引き出し云々ってのは関係無いし、そういう話を信じ込んでしまう人はその前に新札発行で旧札が使えなくなるという詐欺にひっかかってしまうのがオチだったりする。新札で旧札が使えないってのはそれこそ、戦後の新円発行の時のような話だからねえ。

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このページは、不破雷蔵が2019年4月23日 07:33に書いた記事です。

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