「国の借金」警察参上。共同通信が堂々とやらかす

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財務省は10日、国債や借入金などを合計した「国の借金」が、2018年度末時点で1103兆3543億円になったと発表した。17年度末に比べて15兆5414億円増え、3年連続で過去最大額を更新した。13年度末から6年続けて1千兆円を上回っている。

四半期ごとに財務省が発表する財務関係の報告書を基にした報道記事。色々と目を光らせているのだけど、「国の借金」やら「国民一人あたり」やら、アウトな手法がフルスロットル。本文では鍵カッコを使っているのでそのままの意味じゃないですよー、的な言いわけをするつもりかもしれないけど、記事タイトルではそのまま使ってるじゃん。


まぁ、NHKでも同じことをやらかしているのだけどね。こちらでも「国の借金」と鍵カッコを使っている辺り、こういう表現にしろという指導が来てるのかな、という勘ぐりすらしたくなる。

記事題名にも本文にも使われている「国の借金」は日本国政府が発行している国債(の額)を示しますが、この表現は「借金」の対象が日本国全体、国家組織や所属企業、民間人のすべてに至るまでとの誤解が生じます。国債は日本国政府による借入金。「国の借金」の表現は不適切です。日本国債の約9割は日本国内で購入され、その額は日本国民の債権です。さらに日本国債は円建て。


日銀が得た利益(国債の利息)のうち経費や税金を支払った後の剰余金は、準備金や出資者への配当に充当されるものを除き、国民の財産として国庫に納付されます。さらに政府は日銀の株式を55%保有し、配当も受け取れます。

「国の借金」の表現は国債を悪しきものとしてイメージさせる思惑があり、報道記事としては疑念を生じます。ちなみに日本の対外純資産(対外資産と対外負債の合算)は2.909兆ドルで世界第一位です(IMF公開値より)。


図版を用いたり例のMMT理論についても言及したかったのだけど、文字数足らずなどの制限があって省略......というかこの説明、ほぼ同じ話を四半期単位で行ってるってことは、報道側は同じ事を繰り返すばかりで、正すつもりは無いのだな。

第一、「国民1人当たり約874万円の借金を抱えている計算だ」ってあるけど、これって実のところは国民一人あたり787万円ぐらいの債権を得ている計算なのだよね(国内消費を約9割で計算)。政府が抱えている借金をどうして国民で割るのか理解が出来ぬ。

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このページは、不破雷蔵が2019年5月11日 07:17に書いた記事です。

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