政策形成やアドボカシーに貢献出来る科学者が必要だという話をすると、すぐ「科学技術政策論」の専門家養成の話になってしまう。でも現場が必要としてるのは「歌って踊れる学者」だ。テレビに出て一般人向けの本を書きまくり、霞が関や自民党部会のプレゼンで映え、ツイッターフォロワーの多い学者だ。
— 藤井宏一郎 Ko Fujii (@kofujii) 2019年5月16日
一般書って書いても評価されないし(分野によるけど科学技術系は...)、テレビはすぐに切り貼りするんで言いたい事と反対の事をでっちあげられるリスクが高すぎるし、と困ったもんですよねえ...
— KGN (@KGN_works) 2019年5月16日
これは科学に限った話では無いのだけど、一般の...というか多数の人は普段触れることが無いであろう、特定の領域とか専門分野に関しては、不特定多数の人にその必要性、重要性、そして何よりもどのようなものなのかをざっとでいいので正しく理解してもらうために、分かる言葉で正しく喧伝できる人材が必要との話。
要は対外エキスパートなスキルを持つ人が、それぞれの専門分野に必要だというもの、ではあるのだけど、人のスキルっておおよそキャパシティがあるものだから、専門分野に長けているような状態を維持しつつ、対外交渉力とかプロモーション力を維持して磨くってのは、よほどの人でないと無理。たまたまそういう人が生まれる、その分野に存在すれば、大いにその企業、業界は栄えるだろう(ジョブズ氏が好例)。正しい理解が行われれば、同意してくれる人、賛意を示す人、足を踏み入れる人が次々と現れる。その業界が正しいもの、需要のあるものならば。
で、その辺りの話って本当はメディアというか報道がやるべき仕事なんだよね。世間一般の人は時間が無ければ固いままの情報を正しく体に納める咀嚼力も無い。だからメディアは知識・情報を正しくかみ砕いて短時間で飲み込めるようなものにしていかなきゃならないのだけど、その辺りの技術が衰えていたり、悪意(当人は善意のつもりかもしれない)で選り分けをして例えばカレーの人参ばかりをよそってしまうようなことを日常茶飯事的にやらかしてしまう。
結局のところ必要とされているのは、以前も言及したかもしれないけど、ルーターのような立場の人、言語ならば翻訳家のポジションの人ではないかな、という気がする。企業ならば優秀な営業担当。プロモーターでもいいか。
まずは業界のあれこれについて正しく理解咀嚼した上で、それを簡易なもの、分かり易いものにまとめ上げ、多くの人が目に留め、何となくでいいから正しく理解できるようにする。下手すると労苦ばかり多くてリターンが少ない仕事になりそうだけど。何しろ自前で創作するものでは無いからねえ。
ある意味、悪質なまとめサイトにあれだけ需要があるのも、正しいか否かは別として、分かり易いからってのがあるのだろうな。ただし、正しいという観点では多分によじれているし、それを意図的にやっているからこそ、悪質なのだけど。まぁ、ぶっちゃけ、その方向性って今のマスコミも同じようなものなんだけどね。
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