「犯人の自宅にテレビとゲーム機があった」という報道

| コメント(0)


先日の川崎の事案は後ほど説明するように、イレギュラー的なものとして何もなかったかのように処理をするのが一番だとは思っているのだけど(騒ぐことで加害者側の思惑に陥っている可能性がある)、その中で首を傾げるというか、ネタとか虚構系の話じゃないかと目を疑う報道があったので、すかさずつっこみを入れた件。

速報的に、テレビとゲーム機があることだけを伝えるという報道をテレビが成したことに、どれぼとの意味があるのか。例えば違法性のある銃刀が山ほど隠されていたり、猟奇的な犯罪の証拠が続々と出てきたのならともかく。いかにもテレビやゲームが犯罪に結びつくことを受け手に印象付けさせるような報道であると突っ込まれても仕方がない。電子レンジや炊飯ジャー、空気清浄機があったと速報で伝えるようなぐらいの愚かしさ。

むしろスマホなどの携帯電話が無く、パソコンも無く、小売系やレンタル店の会員証も無く、メンタル系の服薬も確認できていない。あるいはさらに捜索が進めば、実はインターネットの契約などもしていて事前に整理されていた可能性もあるけど、現状では他人との接触が極力少なかった感がある。まだ伝えられていないけど、もしかすると本棚の類も無く、本の類もほとんど持ち合わせていなかったのかもしれない。生活感の無い部屋が想起される。


この類の報道がある度に使う例の動画。今回の報道はこのネタがまさにリアル化されてしまった感はある。実際にキャプチャ画面で自宅からテレビとゲーム機が云々ってのが複数出回っていて、今後はネットミームの画像として用いられるようになるのだろうな、と思うと複雑な気分ではある。


記憶の限りでは古くは秋葉原の連続殺傷事件の時にも似たような指摘をしたのだけど、他の様々な対象物があるにもかかわらず、ゲーム機などを問題視するような伝え方をする。編集権という表現をした人もいたけど、自在に印象操作が出来てしまう。


で、何よりも今件はこれ。事件当日から例の救済ビジネスの人が悪用してしまったのがよい例ではあるけど、このようなイレギュラー的な事案、特に行為者が何らかの痕跡を残すことを目的としている可能性があるものに関しては、触れずに消し去るのが一番。伝染病が流行った時の消毒だ~的な感じ。「犯罪を犯せば存在を認識してもらえる、という誤ったメッセージを発信するのは感心しない」、まさにこれなんだよね。

マスコミ関係者がことある毎に声高に語る、自分の行いを正当化するための社会正義的な宣言「事件を刻むのには実名報道は欠かせない」ってのと真っ向から反する形になるけどね。そのことが犯罪行為者の利にかなうってこともあるというわけだ。

関連記事             

コメントする

            
Powered by Movable Type 4.27-ja
Garbagenews.com

この記事について

このページは、不破雷蔵が2019年5月31日 07:41に書いた記事です。

ひとつ前の記事は「ライブドアブログのスマホ版の問題と当方の本家サイトの話」です。

次の記事は「幼稚園7月号の付録にはアイスの自販機が付くぞ」です。

最近のコンテンツはインデックスページで見られます。過去に書かれたものはアーカイブのページで見られます。

* * * * * * * * * * * * * *


2021年6月

    1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30