引きこもりの定義とレッテル貼りと

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実のところこの類のツッコミやら問い合わせは、例の無差別な事案とそれに続く元農水省関係者の親子間で生じたアレの辺りでちらほら来たりしているのだけど。すべてのマスコミがそうだとは信じたくはないけど、この類の説明が結構成されていて、半ば冗談・自嘲気味に「自分も引きこもりだよ」と語っているケースが見受けられて、色々と頭を抱えたりする。

言葉の定義は人それぞれだろうけど、少なくとも行政関連での定義は、単に部屋にいることが多いとかたまにコンビニに行く程度ってだけじゃない。自宅内作業とかリモートワークとかは関係ないっていうか、仕事をしていたら定義からは外れる。

上に挙げたのが「引きこもり」の定義で、SOHOとか自由業・自営業はまったく外れる。また病気療養とか専業主婦・主夫も別。マスコミ曰くの定義だったら、それこそSOHOな人達は押しなべて引きこもりと定義されてしまいかねない...からこそ、今回のような誤解が生じてしまっている。そもそも上の定義ですら、高齢の引きこもりにおけるものであり、通常のというかこれまで一般に語られている引きこもりのとは微妙にずれがあったりする。その辺りは以前【高齢ひきこもりが61万人いるとの報道】で解説したはず。

第一、引きこもりが犯罪予備軍的な報じ方をする報道や一部専門家の論調こそが大問題。ヘイト的なものですらあると思うのだよね。引きこもりに区分される人においても実情は多様ではあるし、社会一般の観点から望ましくないと認識され得る状況にある人はその中の一部だろう。そしてその一部ですら、本人の意志に反して状況を転じさせる必要はあるのか否か。

「こういうものが健康だから」「こんなスタイルが社会一般的には普通だから」と、その枠組みに当てはまらないものを悪として無理やり引っ張るって行為には、ちょっと首を傾げざるを得ない。その状態が違法なもの、反倫理的なもの、反社的なものならともかく、ね。ましてや、そういう状況にある人をすべて犯罪予備軍的な表現でくくってしまうのは、言語道断では無いかな。

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このページは、不破雷蔵が2019年6月 4日 07:52に書いた記事です。

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