いま出した電子書籍が数十年後にも買えるとは、とうてい思えないのに対して、物体としての中古本は確実に存在していますからねえ。電子が出るに越したことはないにせよ、現時点では「紙の本に比べて永遠に残る夢の媒体」というのは幻想だと私は思っています。 https://t.co/DtCBQRd4og
— 日下三蔵 (@sanzokusaka) August 8, 2019
文書を保存しておく必要性とその媒体については繰り返し話をしているけど、これはマジで実感できるお話。電子書籍などはデジタルデータでの保存だから一見永続的なものに思えるけど、プラットフォームが破綻したり投げたりされるとあっという間に使えなくなってしまうのもまた事実。他のプラットフォームで代替処理をしてくれるっていう説明もあるけど、すべての書籍が用意されているとは限らない。
これって結局、現状の電子書籍の仕組みである「データの根幹は利用者の手元には無く、サービス提供側から借り受ける形を取っている」ってのが問題だと思うのだよね。図書館とか貸本屋みたいな感じだから。永続的に利用できる権利を持っていても、図書館や貸本屋そのものがこけたらオシマイ。
オンラインゲームも似たようなものかな。プレイヤーはデータの受け手としての存在だからね。サービスが終わったら跡形もなくなってしまう。手元にキャラデータが残っていたとしても。
また、仮に手元にあったとしても、その端末自身が滅んでしまったら読み込みは出来なくなる。テキストベースなら新しい媒体に転送できればいいのだけど。これは当方が今必死に続けている、昔のソフトの整理で痛いほどわかっている。ソフトはあってもそれを再生する端末がすでに無いので、手元に持っていても意味がないってことになる。パソコンの古いソフトはお払い箱で、むしろカートリッジ式の古いゲーム機用ソフトの方が保全価値はあったりする。
一方で紙媒体ならば、紙そのものの性質劣化とか損失のリスクはあるけど、その他の要素としてはデジタルほどシビアでは無い。
電子媒体の寿命100年
— 肥前文俊@ラノベ作家8月新刊今年3冊め! (@HizenHumitoshi) August 8, 2019
紙の寿命1000年
石の寿命4000年
適当な数字だけど、今の所だいたいこんな感じよね
技術が進歩するほど、保存年数は下がってる
以前も話した記憶はあるけど、記憶媒体には一定の概念的リソースがあって、便利であればあるほど一定時間に消費されるリソースも大きなものとなり、品切れとなるまでの時間は短くなる。不便な媒体ほど消費リソースも少なくなるので、耐久性は長くなるという次第。
使いやすく、そして長持ちをする存在があればいいのだけど、実のところ技術進歩の過程では、長持ちって要素は後回しにされやすい。長持ちすると買い替え頻度が長くなるので、商品としては優秀じゃなくなるから。まぁ、それでも例えば自動車とかパソコンのように、少しずつ利用年数が延びているのもあるんだけどね。
この辺りの話はマジで本格的な検証と対策を打たないとまずい気がするのだけどねえ。
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