この時期、テレビの戦争番組を見るたびに思うのだけど。「知られざる○○の真実」とか「新たに発見されました」と謳ってるのは、大抵既知の事柄で、番組制作者にとって新発見なだけ、ということが多い。しかも結論ありきで立体的に見ないから、「新発見の資料」の読み込み方が間違っていることも屡々。
— 神立尚紀 (@koudachinaoki) August 11, 2019
当方自身はもうテレビを見ない状態で長年過ごす形となっているのだけど、毎年終戦記念日近くになると、戦争関連の新発見とか新事実とか真実というフレーズがバーゲンセール状態となった番組なり特集記事が展開される。テレビなどは観なくても番組の宣伝や、番組へのツッコミで大体実情は把握できるのだよね。
で、恐らくは以前からこういうことは生じていて、最近になってよく指摘されるようになったのは、結局のところ可視化されるようになったからなんだろうな、と思う次第。確かに番組やら特集記事としては、新しい発見とか真実とかいうフレーズを使った方が、注目は集まるしお金をゲットしやすい。インスタント系食品とか健康食品で、よくリニューアルして新発売ってやるのも、多分にそれが影響している。
食品ならば別にいいんだけど、テレビ番組だの記事のようなコンテンツでは、新とか真実などのフレーズに見合わない実情が多々あったりする。指摘されているような焼き直しとか現場が知らなかっただけってのはまだいい方で、間違っていたり、スットコな所見の持ち主を太鼓持ちする形で紹介するような内容になっていたりもする。
ここ数年のNHKの太平洋戦争もののドキュメンタリー、駄目なところが多いなあと思っているのだが、「新」にこだわっているためだと思っている。そのテーマについて、現在定説となっているところを、証言なり、映像なりでみせるだけで充分良いものがつくれるのに......。(続)
— 赤城毅/大木毅 (@akagitsuyoshi) August 11, 2019
(承前)新資料、新証言とハッタリを利かせたがる。その多くは、研究者には、すでに知られていることだ。そんなことではなく、ディレクター以下、きちんと勉強して、常識的なことを、わかりやすく、印象的に伝えることに努めたらどうかと思う。
— 赤城毅/大木毅 (@akagitsuyoshi) August 11, 2019
既存の事実をしっかりと見つめ直し、見せ方を変えたり、分かり易くしたリするだけでも、よいものはできるはず。それをせずに安易に適当な新事実をでっち上げたり、スットコな傍流の仮説をさも正しいかのように伝えるのは、新・真を使えば容易に人気が出るというテンプレに取りつかれている、楽をしようとしているからなんだろうな。
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