今夏のNHKの終戦報道を一通り見て。日本人の平均寿命が初めて50年を超えたのは昭和22年。70年余りで40年近く延びた訳で。50代女性が新聞で「老婆」呼ばわりされた戦前の事象を、人生100年時代も近いと言われる現代の価値観のみで解釈し、解った気になって批判したり断罪するのはちょっと違う気がする。
— 神立尚紀 (@koudachinaoki) August 19, 2019
現代の視点で歴史上の事象を検証することは大切。しかしそれには常に当時の価値観を俎上に乗せそれと比較するのでなければ、事実が真実から遊離してしまう。右も左も、現代の高みから死者を政治利用する勿れ。少なくとも「天皇の靖国神社参拝」という言葉が変だと解らない奴は黙ってろと私は言いたい。
— 神立尚紀 (@koudachinaoki) August 19, 2019
今の時代のモラルや知識で過去を振り返る人は大抵アホです。当時は当時の知識で考えうる最高のやり方をしていたのです。それが正しいか間違いかは後の人が下した判断。https://t.co/Kmq7WA2m0b
— 神立尚紀 (@koudachinaoki) August 19, 2019
世の中の常識や社会慣習は時代の流れとともに変化していく。その変化には科学技術や世界全体の流れなども影響する。例えば寿命が延びれば人の生き死にの感覚の常識も違ってくるし、晩婚化が進めば結婚に関する概念も変化を遂げる。
以前記事にもしたけど、昔は女性は24歳までに結婚することを強く求められて、25歳を過ぎると「クリスマスケーキ」的な表現をされたものだ(クリスマス当時を過ぎると季節外れになって売れ残る、セール対象となるという意味)。無論これは結婚年齢の平均的な値に加え、女性の立ち位置の軽視的なところもあったのだけど(男性はそのような具体的な言い回しはなかったけど、似たようなフレーズは結構あったし、テレビなどでも平気でそういうポジションの男性をあざ笑う表現は使われていた。「後無(アトム)」とかね)。
で、今の常識や社会的ルールを、昔の時代の実情に当てはめてバッシングしたり否定するのは、恥ずかしいお話に違いないという。確かにその通り。具体的に昔何が起きたかという検証は当然必要だけど、当時どのような情景だったかを確認する必要もある。
そのようなことをするのなら、あくまでも今の社会的感覚、価値観で考えるのならという前提・お断りが必要ではある。また、それをしたとしても思考ゲームの領域を出ることは無いのだよね。
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