先日、某書店の店長さんに取材した時「Amazonがあるから、かろうじてまだ人々は本を読んでいる。もしAmazonがなかったら本は滅びていたかもしれない」と仰っていて、その視点がとても印象的だった。伝統側が革新派を否定する場面はよく見かけるけど、実は革新派がいるから残っている伝統って沢山ある。
— 鳥井 弘文 (@hirofumi21) September 23, 2019
この仮定はあくまでもAmazonだけではなく、Amazonが無かった場合においてAmazonと類似のサービスも展開されていなかったらという意味で。個人的には楽天やHonya Club.comのような他の印刷物取り扱いオンラインサービスがもっと乱立していただけの話じゃないかな、という気もするのだけど。そして交通系磁気カードのように規格統一などで色々ともめたりとかね。あるいは今流行りのpayサービスのように訳が分からないくらいに増えてしまって、かえって使いづらくなってしまうとか。
指摘の通り、Amazonは物理的店舗の本屋のシェアを奪ったのには違いないけど、実のところそれだけが原因ってわけでもなかったりする。店舗の減少は以前から続いていたし、街中の中小本屋の閉店理由は「経営者の高齢化」「少子化による定期購入誌のラインの縮小」「儲けが出やすい雑誌のシェアをコンビニに奪われた」などもあったりする。雑誌に関してはコンビニに云々とともに、スマホに需要を奪われて(紙媒体としての)雑誌そのものが縮退しているってのもあるし、ね。
一方で、Amazonだけではなくネット通販で紙媒体の本を注文する人は確実に増えている。中には本屋からシフトした人もいるけど、新規で購入した人も多分にいるだろう。いわゆる「気付き」の意欲が低くてもネット通販でなら気軽に注文が出来てしまう。
指摘されている通り、Amazonが無ければ紙媒体の本がここまで衰退することもなければ、街中の本屋もまだまだたくさん残っていたかもしれない。けどむしろ、本屋はともかく本の需要はAmazonがあればこそ、ってのも多分にあるんじゃないかな。
何しろ書店の総数は経済産業省・商業統計によれば、1988年がピークなんだからね。
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