ちょっと目にしたツィートで、「プロは本当に自分のやりたいことはやらない」みたいなことが書いてあったけど、この歳になって思うことは、むしろ「長続きするプロほど、どんな企画にでも自分のやりたいことを捻り込んでしまう」という方が本当だと思う。業界のトップを常に走っている人ほどそうだ。
— 小林信行 Nobuyuki Kobayashi (@nyaa_toraneko) September 8, 2019
人の行動意欲や方向性にはいくつかのベクトルがあり、その調整が必要。そのような話の中で、(ご飯を食べている)プロは自分自身が好んでいること、やりたいことはやらないという話と、それを否定するお話。どちらかというと後者の方が正しくて、自分の好きなこと、やりたいことで無ければ長続きはしないし、洗練化はされていかない。
自分が好きではないけどプロになるような仕事をしている人というのは、それだけでスゴイ才能の持ち主なのか、得られるリターンが膨大でそのリターンを得ること自身が自分のやりたいこと(に直結する)だったりする。描きたくはないけどお金が儲かるから描いてみようという自叙伝が知られている某料理漫画とか、自分の夢であるトロイア遺跡の発掘のために貿易事業にいそしんだシュリーマンとかね。
https://t.co/ACmmAA8u1W
— 松田未来 夜光雲のサリッサ コミックリュウWEBで連載中! (@macchiMC72) September 8, 2019
やりたいこと抑えつけてでも流れに従わないと食ってけないよ、と作家をコントロールしようとする人もいますが、作家という生き物はやりたいことでないとモチベーション上がんないんですよ。結果的にいいものも出来ない。
現実的な兼ね合いとしては、100%やりたいことではなく、RTのようにやれそうなことにやりたいことを混ぜる手法です。そうやってモチベーションを削らないようにしないと燃え尽きます。
— 松田未来 夜光雲のサリッサ コミックリュウWEBで連載中! (@macchiMC72) September 8, 2019
今我慢すれば好きなこと出来るから...というのは危険な幻想です。そういう事言う人からはやりたいことは回ってきません。やりたいことを色んな形で見せ続けてこそチャンスは巡ってきます。
— 松田未来 夜光雲のサリッサ コミックリュウWEBで連載中! (@macchiMC72) September 8, 2019
「自分が面白い思ってもいないものは描くことができない」
— 田中ユタカ『美少女雀士!スパローガール!』 (@tanakayutak) September 8, 2019
僕の知っている漫画家は口をそろえてそう言います。
「編集者に無理矢理描かされななんて話を聞いたりするけど、自分には無理だよ」
「うん、出来ない」
「面白くも思っていないものを、描けてしまうのなら、それはすごい才能だよ」 https://t.co/s1sJKK69sy
以前【他人に喜ばれること、自分がやりたいこと、自分で出来ることが大切】などでも言及したけど、他人に喜ばれること・対価を得られること、自分がやりたいこと・好きなこと、自分で可能なことのすべてが一致するものを手掛けるのが一番。これは漫画家に限った話ではない。
色々な特質、個性、過去の経験などから、個々でやりたいこと、モチベーションが上がることってのは異なってくる。物事を継続できるってのは、その自分だけの方向性を突き進めるからに他ならない。奴隷のような働き方をさせられても、それを自分自身が望むような人なら、ずっと続けていたくなるだろう。
けれど、やりたいこと、やるべきことと思っているものをひたすら追い求めて積み重ねていっても、月日と成果を積み重ねていけばいくほど、評価は落ち込むし色々と苦しくなっていくのもあるのだよね。そうなっていくとモチベーションも段々削れていく。
辛かったり苦しかったり大変な思いをしても、それが続けられるのは、先行きへの期待があるから。それが逆にしぼんでいくような観測があり、実際に体現化した形で数値化されると、言われているようなモチベーションもごりごりと削られてしまうのだよね。
コメントする