「ネットで話題」とするだけで、どのような些細な話でも大問題であるかのように報じることができる。報道にとっては非常に都合の良い、恣意的な取捨選択の大義名分なのでしょう。ネットを使っていない人には「出遅れないようにしなきゃ」という雪崩現象を悪用して注目させることができる。
— 不破雷蔵@ガベージニュース (@Fuwarin) September 22, 2019
具体的に何を指しているかはあえて挙げないけれど。報道記事に目を通すと高い頻度でこのフレーズを目にすることができる。ネットで話題のアレについて、ネットで話題のあの出来事ですが、ネットで話題とされていますが云々。
この類の話は調べてみると少なからずにおいて、それほど話題には上っていないというオチがついたりする。それならまだいい方で、特定の少数界隈でのみ、しかもちらりと触れられた程度だったり、さらにはいかにも「ネットで話題」というフレーズを使うためにサクラ的な書き込みがされていて、それをわざわざ記事で抽出してきたりとか。
この類の話って、どのようなメリットがあるのかを考えてみると、ネットにはどのような話でも基本的に、よほどのことが無い限り話題には上るもの。それを明確な基準(例えばRT1万回とかグーグルトレンドで一定数の値を維持し続けているとか)で取捨選択しない限りにおいては、伝えようとする側の好き勝手ができる次第。しかも「ネットで話題」という権威づけというメリットもある。
ネットで元々知っていた人、話題になっていないことを確認している人には、「また適当な事を」と切って捨てられるかもしれない。けれどその辺の事情をあまり知らない人、ネットでの情報に元々興味がない人にとっては、ネット界隈で話題に上っているのだからという負い目を負わせて飛びつかせることができる。例のスタンピードを狙えるわけだ。
これって例えば「全米で話題」「ヨーロッパで大人気」「世界で大ヒット」というやり方とさほど変わらない。要はその対象にネットが加わったまでの話でしかない。送り手側の扇動にのせられないためには「本当にそうなの?」という疑いの目を持つことを忘れてはならない。
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