売れてない、って話が出た段階でどうしようじゃなくて、第1巻発売前からどれだけ仕込むかってのかが重要なんだよね。カウントダウンイラストとかもいいのだけど、試し読みURLに誘導したり、話題にしてシェアされるための施策ですな。最近のTwitterでの1話公開はとてもいい。
— きんどう (@zoknd) October 3, 2019
先日の【「売れていないから買って」とする宣伝はどうだろうか】に連なるお話。要は購入してもらうためには、まず対象を知ってもらわねばならない。知らなければ判断そのものが出来ないから。そして知ってもらう方法は数が多ければいい。成功するまで何度でもチャレンジとか、犯人を捕まえるためにあらゆる交通網に規制線を張るとかいうのと同じ考え方。
環境が変化すれば、「方法」として使えるものも変わってくるし、増やすこともできる。ツイッターが意思疎通ツールとして有益だと判断されれば、公知媒体的な使い方を色々と模索するのもあり。無論、騙したり、炎上商法とかステルスマーケティングのような、発覚するとネガティブな結果が出てしまうものは論外。短期的には益が出るかもしれないけど、中長期的には失敗の火種となる。ごく希に上手く行く場合もあるけど。
さっきのモノを売る話。今同人CGでは、初日だけ90%オフにしてランキングを上げて目立つ手法が増えている。値下げ自体は、チキンレース感が強い。けどデジタル市場においては、売上別ソートで「売れている作品」を買う人が多い。そんな消費行動にはマッチしていて、頭のいい戦略だなあと。
— karzusp (@karzusp) October 3, 2019
で、この方法論ってのは実のところとても賢いし、環境を大変よく分析した結果ではある。「今日のおすすめ」とか「当店のセールスベスト3」ってのを見ると、一定数はそれを信じて選択してしまうってのは昔から良くある話で、ネットではその傾向がさらに強くなる。ランキングとかの数量的データに対する信奉性は強いから。あとは、話題に乗りたいという気持ちが強いってのもあるな。売れているという事実がさらにセールスポイントになっていく。だからそのセールスポイントを得るために、一時的に損をしてもいいからとにかく売っていく。
......もっともこのネットにおける方法論も、実のところは随分と前から行われていたりする。啓蒙系の本とか、ネット商材系の本では多分に。いわゆるアマゾンキャンペーンで発売直後ならオマケの本とかテキストがついてくるとか、グループ内でまとめ買いして新発売の本のランキングを底上げしちゃうとか。一瞬でも上位につけば、箔がつくのでそれをセールスワードにできるからね。
ただしこれも一般に浸透して乱立すると、数字やランキングそのものの信憑性が薄れてしまう。現状でアマゾンのコメントの信憑性が、ステマの横行でマリアナ海溝レベルになっているのが良い例だったりするのだよね。
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