英イングランドとウェールズで有機農業に全面移行した場合、生産量が減少してより多くの生産地が必要となるため、結果として温室効果ガスの排出量は増加するという研究論文が22日、英科学誌ネイチャー・コミュニケーションズに掲載された。https://t.co/XQhPcc2jch
— AFPBB News (@afpbbcom) October 23, 2019
有機農法に転換することで、食品ごとの温室効果ガス排出量は農作物で最大20%、畜産物で最大4%削減できる一方、生産スピードを速める肥料を使用しないために、農業や畜産業の非効率化につながる。
現代農法を止めて昔の有機農法に立ち戻れば、二酸化炭素を減らすことができるよ、という主張へのクリティカルヒット的なお話。要は、有機農法に戻せば化学肥料などを使わないから二酸化炭素発生量は減らせるかもしれないけど、その分収穫量は激減してしまう(というか収穫量を増やすための工夫の結果が現代の農法だから)。
同じ量の収穫をするためにはより多くの生産地が必要になるため、結果としてむしろ二酸化炭素の排出量は増えてしまうという、あるある話。
Environment: Impacts of switching to organic farming on emissions assessed https://t.co/fdSwXZ9DK5 原典。英国で有機農法に完全移行すれば作物で20%、家畜で4%のCO2削減ができるが、農作物の生産量が不足するため英国外に5倍もの面積の土地が必要。結果として1.7倍のCO2が生じる。 pic.twitter.com/MDTDEI01Zq
— 不破雷蔵@ガベージニュース (@Fuwarin) October 23, 2019
ツイートでは英国としちゃったけど、厳密にはイングランドとウェールズ。信憑性はこれから検証が必要だろうけど、論理的にはおかしいところは何もない。さらに、これってマンパワーの問題は精査されているのかな、とも思ったりする。
個人や小規模グループで有機農法を楽しむというのなら話は別だけど、大規模な領域、国レベルでの話としては、問題外ってことだよな、と。そもそも現代の農法に至るまでの蓄積で生産効率が上げられたからこそ、より多くの人口を支えられることができるようになったわけで。有機農法で二酸化炭素は減らせるけど人口も減ってしまった、なんてことになりかねない。
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