予約しろ、さもなくば一刻も早く買え、レビューも書け、という出版事情

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業界の内面とか努力とか体質とかはまた別の話として、出版業界が経営的に厳しさフルスロットルの状態にあるので、売れ線でないと即時に切り捨てるというデッドラインが極めて厳しいものになっている状況だからこそ、こういう話も出てくるのだなあという感想。

要は、早く数量的な、しかも出版業界側が使っている古い指標上の結果を出さないと、採算が取れないからアウトってことで切り捨てる傾向があるので、存続してほしい対象には可及的速やかに数字が出るようなアクションをしてほしいというもの。

この辺りは現状の説明ってことで理解ができるし、実例がいくらでも漏れ伝わってきているので冗談でも何でもないってのも分かる。

ただ一方で、こういう施策ってのはどちらかというとタコ足共食い的なもので、応急処置というか本土決戦というか、消化試合的なところがあり、未来に向けたものではないので、どうも消極的な感じがしてあまり乗り気ではなくなってしまうのもまた事実。「延命」という言葉がすべてを物語っている。

バチを食らっているのは現場の作家先生であるのでいたたまれないのだけど、肝心の出版業界自体は現場がこういう悲痛な声を上げていることに対し、どう考えているのだろうかな、と。

先が見えない努力ほどむなしいものは無い。また、お客側が色々と不都合を押し付けられるのも首を傾げる話である。こうした方がいいよね、というアドバイスをしてくれるのはありがたいのだけど。

例えば「SNSでの話題など影響しない」という話はあるけど、それはどうだろう。単に出版側がサーチの対象にしていないだけではないかという気がする。第一、それならなぜ出版業界側ではSNSのアカウントを取得して広報したり、作家に告知を強要したり、フォロー数の底上げを要請したりしているのか。

そういうこともできるよね、という気付きを得たものは、気にかけていきたいけど、押し付けられるのはまた別なんだよね。広報戦略の原則のような気もするのだけどな。

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このページは、不破雷蔵が2019年11月28日 07:30に書いた記事です。

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