「20代以上半数が本1冊も読まず 紙の書籍離れ進む」という話

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国立青少年教育振興機構は23日、全国の20~60代の男女5千人を対象に、読書習慣に関して調査した結果を発表した。全年代を合わせ、1カ月に本を全く読まないとした人は49.8%に上った。2013年にまとめた同様の調査の28.1%から、大幅に増えた

朝日毎日は別として、最近共同通信の劣化ぶり(の露呈)があからさまに酷い状態になっているので、ちょいと疑いのまなざしレベルで読んだのだけど、記事から元資料を探して精査したら、やはりそんな感じだった件について。

詳細は 子供の頃の読書活動の効果に関する調査研究報告(速報版)  www.niye.go.jp/kenkyu_houkoku/contents/detail/i/140/ 。「本」は書籍を意味し、漫画や雑誌、サイト上コンテンツ、電子書籍やオーディオブックは対象外です。


いくつかのデータを提示します。()内は5年前の値。

・本が0冊
 20代 52.3%
 30代 54.4%
 40代 51.2%
 50代 46.8%
 60代 44.1%

・漫画(紙)が0冊 71.2%(62.9%)
・雑誌(紙)が0冊 63.3%(34.8%)
・電子書籍が0冊 80.3%(91.6%)
・オーディオブックが0冊 95.8%
・パソコンによる1日あたりの読書時間が0 56.8%(60.5%)
・スマホやタブレットなどによる 〃 52.3%(70.4%)

サイト上のコンテンツは調査されていません。


正直なところ、設問レベルで電子化が進む現状に対応しきれていないというのが第一印象。そして「本を読む」というのが結局のところ何を意味するのかってことに、環境の変化に応じた定義の変更が必要なんだろうなあ、という感じがする。

本を1冊読むってのは最初から最後まで読み通して、初めて1冊とカウントされる。けれど電子化されたコンテンツはコマ切れになるし、ウェブ上の記事は「読む」には該当するけど「一冊読み通す」とは別物の話になる。電子化することで文書はフレキシブルに細分化できるようになり、読む行動そのものの性質も変わってくる。にもかかわらず、基本的に紙媒体でしか提供されていない時代の「読む」の概念の仕切り分けのままでカウントしたら、そりゃ冊数が減ってくるのは当然の話。

過渡期だから色々と難しいってのはあるのだろうけどね。実際、紙媒体が無くなるとは思えないし、両方が併存する形になるとは思うのだけど。カップ麺と袋麺を比較するような状態になっていくんじゃないかな、と。どちらもいいし、単純比較はできないよ、と。

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このページは、不破雷蔵が2019年12月26日 07:17に書いた記事です。

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