「AIで仕事がなくなる」の意味

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ここ数年ことあるたびに語られ、騒がれ、問題視される「AIで仕事がなくなる」という話。米国でもPewResearchが何回かこれに関する調査を行っていて、やはり怖いヤバい大変だ的な意見が多数を占めている。メディアが殊更に煽ってるのもあるし、ね。

ただ指摘されている通り、結局のところAIも世の中を変える(多分に楽にする)ための道具の一つでしか無く、それで社会が変わるようになれば、いつもの通りに新陳代謝が生じるだけの話。そもそもいま語られているAI云々ってのは定義が曖昧過ぎて、人類を超えた存在が登場して何もかもやってくれる的な雰囲気すらあるけど、そんなはずも無く。

要は郵便制度が出来て飛脚が職を失うとか、自動レジが普及してレジ打ちの仕事の需要が減るというレベルの話。

他方「AIが人の自由な時間を増やす」に関しては確かにその通りなんだけど、注意する必要がある。あくまでも自由な時間が増えるのは、AIを使って仕事が楽になった人。同じ作業をこなすのに時短が生じるということで、今までその時間分を担っていた人には仕事が減るということになりかねない。新技術が格差、二極化を生み出すってのは、効用を受けられるか否かの区分が生じる以上、仕方が無い話ではあるけど。

そしてもう一つ。時短が生じてもそれはそのまま自由な時間が増えることを、必ずしも意味しない。時短が可能となったら残った時間にはさらに仕事をぶち込まれるのがオチ。そして同じ作業結果の対価が減るので、結局は同じ時間だけ働かねばならなくなる。

この辺りのバランスをうまく調整できれば、人の心はもっと豊かになれるはずなのだけど。

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このページは、不破雷蔵が2019年12月23日 06:50に書いた記事です。

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