まじめに働いている農民に過酷な干ばつが襲い掛かる、とか、貧しい主人公が不当に解雇される、とかいうドラマを、性のジャンルに持ってくると、そういう展開が分かりやすくて速い、という理由は一つあると思います(それがいいとか悪いとかいう話ではなく)。主人公の窮地から始めるのはつかみの定番。
— 山本貴嗣 (@atsuji_yamamoto) December 9, 2019
性的な犯罪行為の類が作品の中で日常茶飯事化しているのではというフェミの人の御意見に対し、統計上の値があちこちからぶん投げられて偏りではとかその人自身の趣味を暴露しただけではというツッコミがあった中でのお話。
要は性的なテーマだけでなく、物語を創る上では、スポットライトを当てられた対象が逆境、窮地の中から始まるというのはつかみを得やすいし分かりやすいというもの。最近では召喚だか転生したら大国のトップにされて世の中を牛耳りながら色々と対応していくなていう話もあったけど、そういうのは少数派。架空戦記小説ではそういうのも多かったかな。
あと、これは昔話のころからの定番手法で、始めに「してはいけないこと」を見せておく。たとえば「この扉をあけてはいけないよ」と言われて留守番をすることになった主人公がそれをあけて大変なことになる、みたいな。人は禁止されるとそれをしたくなる、という性癖を利用した物語の方向付けです。
— 山本貴嗣 (@atsuji_yamamoto) December 9, 2019
もっとわかりやすく言うと、水を入れたたらいにメダカみたいな小魚を入れて、水をかき回してやると、反射的に魚は流れに向かって泳ぎだす。そっちに行きたいかどうかとかじゃなく、とりあえず「上流」に向かう。CMやエンタメにはこの心理を利用したものがいっぱいあります。
— 山本貴嗣 (@atsuji_yamamoto) December 9, 2019
やっちゃいけないことを明言して読者にも認識させた上で物語の中でやらせてしまうってのもよくある話。これは昔話でもよくあるパターンだから、見方を変えれば人間の行動性向ってのは昔も今も変わらないってことだ。
時間とか文章量に限りがある場合、このようなテンプレのスタイルの方が受け手側のハートをつかみやすいのは事実ではある。ただそれをあまりにもあからさまにすると、かえって白けることがあるので注意が必要だけどね。
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