アサヒビールのビール販売数量が非公開化される件

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ビール業界最大手のアサヒビールが、2020年からビール類の販売数量の公表を取りやめる。各社のシェア推計が困難になるとあって業界は騒然。キリンとの熾烈なシェア争いに負ける前に逃げ出したいというアサヒの思惑も見え隠れする。

厳密な形でのビール業界のシェア動向ってのは分からなくて、各社が自主的に発表している販売本数と、国税庁などによる全体の本数を基に、民間の調査会社などが計算をしている次第。

他方、ビールの販売本数はどんどこ減っていて、ぶっちゃけ不況状態にある。例のストロング系が流行っているし、若年層はさほどビールを飲まなくなってしまったし。

で、そのような中でアサヒビールが来年から本数のカウントやーめた、今後は金額でドヤるよとしたものだから、他の大手からは聞いてないよのブーイング。これではビールの本数シェアの観点での競争ができなくなる。記事にあるように、勝ち逃げ、負けそうになったからドロンって思われても仕方が無い。

消費者にとってあまり意味のあるものでは無い、数量での勘案そのものが間違いだったってのは正論で、その通りではあるのだけど、ではなぜこのタイミングでってことになると説明ができなくなる。ぶっちゃけるとアサヒビール以外の大手は今後、「公開本数では日本ナンバーワン」的なことを語ってしまえばいいまでの話ではあるんだけどね。

これまで提示してきた自社の値を情報公開そのものがネガティブな影響となりうるタイミングで非公開にする。実のところは大手でも結構やっていたりする。ミクシィのmixiに関するアクセス関連の値とか、ツイッターでの各種指標とか、そして携帯大手の月次契約数とかMNPとかね。特に携帯大手の場合は、ソフトバンクによるiphone独占状態が崩れて契約数の上での増加数トップが取れなくなりそうになったので、それじゃやーめたって言い出したのがトリガーだったし。

まぁ、この類の話はネガティブな影響は確実にあるし、むしろネガティブな状況にあるからそういう施策を取るのだなという観測をされてしまう。つまりはそういうことなのだろう。

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このページは、不破雷蔵が2020年1月11日 07:25に書いた記事です。

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