「もし日本に「病院船」があれば、ここまで感染は広がらなかっただろう」なるご意見が目に留まったので。「お金があればね」で終了。病院船は概念的には船の上に病院を乗せるようなもの。つまり1つの病院を丸々維持させ、しかも通常は入院・外来は取れないから売上はゼロ勘定。
— 不破雷蔵@ガベージニュース (@Fuwarin) February 24, 2020
規模にもよりますが、総務省の病院事業決算状況・病院経営分析比較表(平成29年度) https://t.co/VthXLTLAow などを見ると、億単位でかかると見て良い。そして常に人材を(他の病院などに派遣せずに)維持しておく必要がある。どれだけかかるのかな、と。
— 不破雷蔵@ガベージニュース (@Fuwarin) February 24, 2020
ちなみに内閣府でも病院船の勘案をしたようで、災害時多目的船(病院船)に関する調査・検討なるものがあったりするのです。 https://t.co/QyAZWOnIjA https://t.co/wEh02NblUa 。病院船の概要と課題 https://t.co/onkd97dVDr という資料も併せ。 pic.twitter.com/dLNMuEsJch
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新型コロナウイルス感染で病院船を作ろうじゃないか、あったらもっと事態はスマートになっていたはずだという、前者はともかく後者は単なる事後諸葛亮だよね、という話がちらほら出ているので、とりあえず情報をまとめて。
戦前とか戦中にはその類の艦船はあったし、現在も小型のものは日本にあるけれど、大型の国が取り扱うものは無い。海外にはいくつかあるけど。
で、大型のものを国が運用する形で保有するとなると、指摘している通り予算やら行政管轄やが色々と問題になってくる。小型空母一隻を運用するぐらいのコストがかかるのかもなあ、というイメージ。箱型作ってオシマイってのはゲームだけの話で、実際には人材も機材も確保をし続けておく必要があるし、実際の病院のように平時から入院させたり通院患者を問診ってこともできない(そういうことをしていたら有事の際に使えなくなる)。医療リソースを半ばホールドしておく余裕があるのなら、普段使いをするタイプにして提供した方がいいんじゃないか、という話が絶対に出てくる。
まぁ、良くて、モジュール機能的なコンセプトが限界かな、と。個室の病室や治療室はコンテナなモジュール、簡易治療室は救急車。人員をどうするかはまた別の話だけど。そしてそこまで大型化しなくても、小型ならできるかも、というのもあるけれど、小型のならわざわざ船を作る必要があるのかという問題も出て来るんだよね。
あればいいけど、実際に作る・運用するとなると、ハードルは高いし、だからこそ今まで日本では作られてこなかったんだよね、という結論になる次第ではある。
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