税制・税率は景気のコントロール、ひいては政策実現のためにある

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昨今の景況感の悪化をすべて消費税率引き上げのせいにして、中国の景気後退や暖冬や去年の台風のことなど無かったことにするような風潮には断固反対ではあるのだけど、同時に消費税率の引き上げが一因であったことには間違いはない。企業ベースでは実益にダイレクトに影響するし、個人消費ベースではマインド的な影響が大きいんだよね。

で、消費税ってのはそもそもその導入理由に、「公平に課税できるから」というのがあるわけで(本当は逆累進性が発生し得るのでそうとも言い切れない)、ならば公平に景気対策を成すのなら消費税率の引き下げというコントロール方法は十分ありだろう、と。

もちろん逆累進性が実際にはあるという話は、この場合プラスに作用する。低所得者の方が大きな影響を受けることになるから、救済策としてはもってこいということ。そしてそもそも消費税法に税率は記載されているけど、下げてはいけないとの規定はどこにもないわけで。税率は上げるだけで下げちゃいけないという、固定観念にとらわれているっぽいけど。


で、ざっとツイートでまとめたけど、税率というか税制ってのは基本的に景況感のコントロール、政策の実行のために存在するものであって、税収の確保というのは二の次、三の次の問題なんだよね。税収の確保のために景況感が悪化しても、政策が実行できなくてもいいっていう状況は「死んでもいいから健康になる」というのと同レベルの戯けたお話。

そして景況感のコントロールとか政策の実行のために税率は自由にコントロールすべきだし、必要ならば下げるのも当然ありという本来の原則は、実のところ日本政府も財務省も認識していて、さらにはすでに現在進行形で実施していたりする。そう、法人税が該当するのだな、これが。法人税はアリで消費税はナシというのは道理が通らない次第ではある。

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このページは、不破雷蔵が2020年3月13日 07:54に書いた記事です。

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